日々の忙しさを愚痴ったってカッコ悪い。だから黙ってこの映画に涙するのがいいと思う。脱サラしたくなるけど自己責任で観ましょう。

「好きな映画を5つ挙げろ」と言われたら、ぼくは「アメリ」「東京ゴッドファーザーズ」「スコットピルグリム」「つみきのいえ」そして「しあわせのパン」を挙げます。それくらい好きな「しあわせのパン」のスタッフが送る「ぶどうのなみだ」をやっと見ましたよ。

前回の「しあわせのパン」もやばかった。しかし今回のこれもやばい。

ぶどうのなみだ

ぶどうのなみだ

 

北海道の空知で代々小麦畑を経営していた家に生まれた主人公のアオは、音楽の道を志して上京し、一時は指揮者として成功をおさめるんですが、ある出来事がきっかけで突然実家に帰り、ワイン造りを始めるんです。

父親が死んで、家の畑を継いだ弟のロクは、こどものころ大好きだったのに突如家族を捨て、そーかと思えばとつぜん帰ってきたにーちゃんとどう接していいかうまく距離がつかめないながらも兄のぶどう造りを手伝います。

そんな二人の農園に、謎の女が現れ、敷地の横に寝泊まりしながら穴を掘り始めます。彼女は一体?

とそんな始まりかたをするこの映画。

「前回はパンカフェで今回はワイナリーかよ、おれの好きなものばっかり並べやがって!!」って感じです。

前回は、北海道の大自然とパンカフェが、人のつながりを思い出させてくれます。今回は、北海道の自然が、挫折を克服する試練と癒しを提供してくれるわけですよ。とにかく刺激が強い。忙しいサラリーマンやOL が見ると滲みます。

わかってるんですよ。冷静によくよく考えたら、どちらの映画のカフェも農園も、劇中に採算を度外視した経営をしているので「ありえねー」って「それじゃつぶれちゃうよー」って。

でも、そのあと、こうも思うんです。「そんなクールな計算をしてツッコミを入れちゃう自分の心って病んでるな、余裕ないな。」と。

人の本当の生きる喜びって、金儲けや損得を超えた、人と人とのつながりだったり、成そうと思ったことが達成されたときの喜びだったりするよな、そーいえば。とか思ったりしますね。

そんなことに気づかされながら、心はちょっと北海道に行ってきたし、明日からまた仕事頑張ろうかな、なんて思いながら見るといいなと思った映画でした。


映画『ぶどうのなみだ』予告編

 

未見のかたは「しあわせのパン」の方をまずお勧めしたいです。こちらは冒頭からずっとしあわせオーラが出ています。


映画『しあわせのパン』予告編