【読書感想】「ハガキ職人タカギ!」またラジオ愛に溢れた作品に出会ってしまった…!

こんにちは、りとです。

ブログで何度かお話ししている通り、ぼくは「スマホでラジオが聴き放題になるアプリradiko」の「全国のラジオが聴き放題」になる有料プレミアム会員なんですね。

radiko.jp

現在radikoはタイムフリーにも対応しているため、ぼくはいつでも聴きたいときに聴きたい番組を垂れ流しにしながらお絵かきしたり、車で外回りしたりできる環境となっています。

そんなぼくの琴線に触れまくる小説にまたしても出会ってしまったのでご紹介します。

いつも通り、あらすじ紹介程度のネタバレをします。

ラジオのネタ職人が主人公!

ハガキ職人タカギ!

ハガキ職人タカギ!

 

主人公の高木正広くんはクラスではあんまりパッとしない広島在住の高校2年生。

クラスで友達と呼べるのはアイドルとゲームをこよなく愛するオタク、白井くらいのもので当然彼女もいません。

ともすれば悲しい高校ライフですが、彼はそんなことは気にしません(実はしてる)

彼は深夜のラジオのコーナーに、非モテの悲哀とリア充への恨みつらみと下ネタをミックスしたネタを投稿する、深夜ラジオ界ではちょっと名の通った「ネタ職人」なのです。

そんな彼のラジオネームは「ガルウィング骨折」!

学校では常にネタ帳を持ち歩き、家に帰るとパソコンでradikoとtwitterを立ち上げて、ラジオを聴きながらリアルタイムで全国のリスナーと交流する充実した日々を送っていました。

ある日、リスナー友達の1人で、スカイプでも交流するくらい仲のいい東京の30代男性の「湯葉さん(ラジオネーム)」から「東京で開催されるラジオリスナーの集まるイベント(つまりオフ会)に参加しないか?」と誘われます。

「おれは人とは違うんだ」と「同じ趣味で仲間と語り合いたい」

高木君はその後、夏休みを利用して上京し、互いに相手のことをなんでも知ってる湯葉さんと「初めまして」なご対面をして、流れで東京のハガキ職人たちとネタで対決するゲームに参加することになり、そのことをきっかけに、ラジオとの付き合い方の転機を迎えることになるって展開なのですが、この高木君がもう他人事とは思えないんですよね。

高木君にはクラスに気になる女の子がいます。名前は榊さん。と、いっても榊さんはあんまり可愛くないらしく「彼女と付き合いたい」とかそういうのではないんです。

榊さんがたまに見せる所作に「ラジオ好きなのでは!?」と同族の匂いを感じることが高木君にはあるのです。

高木君は、クラスのリア充たちのレベルの低い笑いを内心小馬鹿にして「おれの笑いのネタはラジオで採用されるレベルなんだ」と優越感を感じる一方で、同じ趣味を語り合える身近な仲間に飢えているんです。

だからこそ、榊さんと話がしてみたいし、広島からわざわざ東京のオフ会に行こうともするのです。(この気持ち、ブログされてる皆さんなら余計にわかると思います!)

この、相反する感じが、ジャンルは違えど文化系をこじらせた青春時代を送った身としては、もう胸を締め付けられるというかなんというか!

そんな青春文学のセオリーを土台に、ラジオファンならニヤリとしてしまうような小ネタをちりばめられたら、もうたまらない!

一気に読んでしまえる面白いお話でした。

ぼくは以前「明るい夜に出かけて」というラジオファン必読の小説の話を書きましたが、今日から二大巨塔にしたいと思います。

rito.gameha.com