こんにちは、りとです。
最近Amazonプライムビデオで『月がきれい』というアニメを見ておったのですが、これが本当にいい話で、最終回まで見たらもう余韻が脳内ぐるぐるでどうにもイカンノデス…。
「月がきれい」Blu-ray Disc BOX(初回生産限定版)
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この気持ちを皆さんに伝えたくて、今日は感想を書かせていただきます。
あらすじ紹介程度のネタバレを含みますので、お気をつけくださいね。
中学三年生の恋のお話なんです
主人公の男の子は、安曇小太郎くんという、読書が好きで「将来小説家になれたらなぁ」とぼんやり考えている文化系の男の子です。寝癖も気にしないくらいの、クラスでは目立たない存在です。
ヒロインの水野茜ちゃんは、陸上部に所属する元気で明るく、でも空気も読んでイケてるグループの端の方にポジションを確保する感じの女の子です。
物語は、2人が3年生になって同じクラスになるところから始まります。
決して「運命の相手」じゃない感じがリアル
ぼくこの物語にグッと引き込まれたのが、2人の距離の縮まりかたなんですよね。
第1話で偶然、お互いの家族がそれぞれ夕飯を食べに近所のファミレスに行く話になります。
プライベートな時間にばったり出くわした2人は、お互い「顔は知ってるけど話したことないクラスメイト」ってことで気まずい時間を過ごして帰るのですが、これをきっかけに「なんとなく他の異性の子よりは気になるかな?」くらいの印象を相手に持つことになります。
その後、体育祭で一緒に用具係になり「用具係のLINEグループがあると便利だから」という理由で連絡先を交換し、ちょっとしたハプニングで会話を交わすようになります。
小太郎くん的には、「ファミレスで会った」「用具係で一緒になった」「初めて普通に会話する女の子」の3つが茜ちゃんのことを好きになるきっかけだったように思えました。
そうですよね!中学生の頃なんて、これだけあれば女の子を好きになるには十分ですよね!!
なんというんでしょう。ここだけに限らず、物語のいろんな部分が妙にリアルなんですよ。女の子と話ができただけで嬉しくて無意味に腹筋してみたり。
その後小太郎くんは茜ちゃんに勢い余って告白をしてしまい(この辺りのロマンチックさはさすが文学少年です)、すったもんだののちにお付き合いを始めるのですが、ぼくの目には、茜ちゃんが小太郎くんにOKした理由が「初めて自分を女の子として見て告白してくれた相手だったから」という風にしか見えませんでした。(もちろん、付き合ってからの茜ちゃんの小太郎くんをどんどん好きになっていく勢いはさすが全12話!な半端なさで、見ている側はこの茜ちゃんの可愛さにひたすら悶えることになります)
おきまりの展開として「昔からお前のこと好きだったんだ」っていう男の子が茜ちゃんの前に現れるのですが、多分小太郎くんより先にこの彼が告白してたらそっちに行ってたように思えたんです。「雨の中、ずぶ濡れになりながら子犬を助けてるのを目撃した」みたいなのがないんです。
それとも、これが「気がついたら好きになってた」ってやつなんでしょうか?
この辺り、ぜひ女性の皆さんのご意見が聞きたいところではありますが、こういったところも妙にリアルでこの作品が好きになった理由です。
ぼくらは「世界中探して見つけた運命の1人」ではなくて、自分の行動範囲の中で「一番好き」になった相手と一緒になるんですよね。
その相手を「一番好き」と感じる要因は、偶然とかタイミングとか、いろんな要素が他の人よりちょっと多めに重なるだけ、なんだと思うんです。その重なりを「運命」とか「奇跡」って言ってもいいかもしれないんですけどね。
幼い恋愛がいじらしくて仕方ない
大人になると、とりあえずお酒で「このあとどうする?」な駆け引きの世界になるじゃないですか?
なのでこの2人の恋愛模様を見ていると、謎の「心の涙」が流れていきます。
2人は中学生という、知識も経験も財力も何もない中で精一杯恋愛をします。大人になると「幼い恋」って「ほほえましいわね、ふふっ。」なんてちょっと下に見たような笑みを浮かべてしまいがちになります。
でも、幼い子は幼いなりに精一杯恋をするんですよね。ぼくはこのことをかつて「最終兵器彼女」の作者である高橋しんさんの「いいひと。」という漫画のスピンオフ作品「さよなら、パパ。」で学びました。
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少しずつ恋人同士っぽくなっていく2人に、ラストで中学生にとっては大きすぎる試練が待っています。小太郎くんと茜ちゃんの精一杯っぷりは胸に迫って仕方がなかったです。もう感動で感動で…!!
好きな人やパートナーを今すぐ抱きしめて「好きだ」と言いたくなる名作です
(でも、片思いの相手に突然はやらないでくださいね)
本当に爽やかなお話で「なんでこんなに爽やかなんだろ?」と思い返して見ると、オタク的サブカル臭がしないんです。社会現象になった『君の名は。』だって、ぼくらからしたら「さすが新海監督!わかってらっしゃる!!」ってとこあるじゃないですか?この作品には、ぼくが気づかないだけかもしれませんが、そういうところがないのです。
まるでジブリ作品を見ているようです。中学生の恋のお話なので、そう、『耳をすませば』の雰囲気が好きな人にはたまらん作品だと思われます。
もぉね、未見の方は大至急ご覧になってください!特に、アマゾンプライム会員の皆様!
もう一回最終回見て泣いてきます!!
ではっ