今でこそ、このブログで読書家と呼んで頂けることも多くなってきたぼくですが、村上春樹さんの小説で最初にどっぷり浸かったのは『1Q84』でした。
それまでは、独特な文体からイマイチ物語に入っていきにくさを感じてしました。
登場人物と自分の年齢に大きな開きがあったことも原因だったかもしれません。
『1Q84』でどっぷりと村上ワールドにやられてしまった新参者のぼく
そんなぼくでしたが、それ以降新作が出るたびにチェックするようになりました。
ジョギングとレコードをこよなく愛する、作品の中にも登場しそうな、ちょっと不思議な雰囲気を漂わせた作家さんとイメージを持っていた村上春樹さんが、初めてラジオDJに挑戦する、というのを最初に知ったのは新聞記事でした。
「村上春樹レベルになると、ラジオDJに挑戦するだけで新聞記事になるのか…!」と驚きました。
というわけで楽しみにしていた特番『村上RADIO』でしたが、ちょうど出張と重なってしまったため、後日radikoで聴きました。
「あー、なんかご自身の小説のように語る人だなー。」
最初の印象はそんな感じでした。
突然始まり、淡々と語る感じ。
内容は、村上さんがジョギングの時に聴いてる音楽のうち、いくつかをピックアップして紹介しながら、ジョギングのことや、執筆について語られていました。
ジャズレコードをこよなく愛する村上さんなので、てっきりジャズをレコードで流すのかと思いましたが、違いました。まだまだ認識んが甘かったです。
若い頃、ジャズ喫茶を経営していた村上さんは、はじめは物書きになるつもりはなかったので、文章の書き方も音楽から学んだとのこと。確かに、デビュー当時の村上さんの評価って「今までにない新しい文体の作家が出てきた!」ってことで「新しい時代の作家の誕生だ!」という意見と「こんなものは純文学ではない!」という意見で激論を巻き起こした、みたいな話を読んだことがあります。
この根っこには、物書きになるつもりのなかった人が、音楽を参考にしながら文章を綴ったという経緯があったんだなぁ…、と改めて感じました。
確かに、やけにリズム感があるんですよね。読んでて。
また、物語を執筆するには体力が必要で、スニーカーさえあれば好きな時に始められるからジョギングが好きなのだとのこと。
これもたまにぼくブログで書いてるのでご存知の方もいらっしゃるかと思うんですが、かれこれ15年くらいぼくは毎朝散歩をしているんですね。本当は走りたいのですが、喘息があるので走ったり歩いたり、です。
しかしこれが本当に気持ちが良くて、雨が降ったり、飲み会で午前様になって起きれなかったりして散歩できない朝は、イマイチエンジンがかからない感じなんですよね。
ぼくは歩いたり走ったりなので、一定のテンポのリズミカルな音楽である必要はなくて、またここでもradikoを使って好きなラジオ番組聴きながら近所を徘徊しています。
てな訳で、村上さんの話も親近感を感じたり共感したりと「うんうん」言いながら楽しく聞きました。
「また来週」くらいの勢いで終わった
そうこうしているうちにあっという間に1時間の番組は終わってしまい、まるで来週もありそうな勢いでするっと終わってしまいました。
これまた、続編がありそうな勢いで終わる村上さんの小説のようだなー、なんて思いました。というか、いつももう少しラストをしっかり書いてくれてもいいです。まぁ、そこがまた村上節なので、賛否両論あるかと思いますけどね。
そして改めてすごいのが「ラジオ番組やりました」ってのがまたニュース記事になるんですよね。
全国38局をネットして放送された番組なので、今週中ならradikoの無料会員でもほとんどの方が聴けると思います。
気になる方はぜひどうぞ。
また、この番組について読者登録させてもらっている十六夜ヒロ (id:einhander1341)さんとゆきにー (id:yuki_2021)さんも書かれてらっしゃるので合わせて読んでいただけると番組の面白さがより伝わるかと思います!