ぼくは「平成ライダー」と呼ばれるシリーズが好きで、忙しかった時期の「キバ」以外ずっと見ています。
改めて語る必要もないかと思うんですが、平成ライダーシリーズは子供騙しでは終われないほど複雑でシリアスな物語を展開する作品がたまにあって、うっかり見逃すわけにいかないんですね。
そして現在放送されている「仮面ライダービルド」なんですが、個人的にかなり面白いんです。
そんなビルドが次回最終回なので、今日は今までの話を5分にまとめてみようと思います。
かなりシリアスな話をネタバレありのダイジェストで語りますので、お気をつけくださいね!
火星から持ち帰ったパンドラボックスが起こした災害から10年後の日本が舞台
日本の有人宇宙探査機が火星から謎の物体「パンドラボックス」を持ち帰ったところから話は始まります。
記者会見の場でパンドラボックスが暴走し、日本を3つに分断する巨大な壁を建造してしまいます。
その後、分断された地点を境に、東都、西都、北都と各地は名乗りそれぞれが自治を表明。パンドラボックスによってできた壁のことはスカイウォールと呼ばれるようになります。
それから10年後、東都では「ファウスト」という謎の組織によって人々の生活が脅かされていました。
記憶喪失の天才物理学者が主人公
東都では、ファウストが生み出す生命体「スマッシュ」と戦う謎のヒーローの噂がありました。それが仮面ライダービルド。ビルドの正体は桐生戦兎(きりゅうせんと)という物理学者です。
5分間ドローイングで戦兎を描いてみました!
彼は自分が物理学者だということと、ファウストに拉致されて人体実験の被験者にされたこと以外の一切の記憶がありません。
そこで、ファウストの謎に迫るため、スマッシュを倒すと手に入る「ボトル」を浄化し、ボトルの能力を使って戦うスーツである「ライダーシステム」を開発したのです。
ビルドでは「仮面ライダー」はアイアンマンみたいなパワードスーツのような位置づけになっています。
アイアンマンでロバートダウニーJr.のマスクの中の顔のアップが映される描写(左右にたくさんのモニターが表示されてるやつ)がありますが、同じ構図のマスクの中の戦兎の顔が何度か出てきます。
ライダーは変身してなる姿ではなく、武装した姿ってことをイメージさせて、そんなサイバー感に思わずワクワクさせられます。
戦兎は、東都政府の科学者「葛城巧」の殺害容疑で投獄されながらも、自力で脱走してきた元ボクサー、万丈龍我(ばんじょうりゅうが)と出会います。
彼はファウストに恋人を殺され、自分も人体実験の被験者にされた上に無実の罪を着せられたが、このままでは終われない!というのです。設定が重過ぎます。
戦兎と龍我は頭脳派と武闘派で互いに反発しあうのですが、すったもんだしていくうちにお互いをパートナーとして認め、戦兎は龍我のためのライダーシステム「クローズ」を開発します。
戦兎たちは「石動惣一」という、記憶を失って倒れていた戦兎を助けて介抱し「戦兎」という名前と希望を与えてくれた恩人が経営するカフェを拠点に行動を起こします。
惣一の娘である「美空」もファウストのボトルを浄化するという特殊能力からファウストに狙われていました。
つい可愛く描いてしまった…。
実は…!の連続攻撃
物語は、龍我が殺害したとされている葛城巧の足跡を追うながれになります。
彼はパンドラボックス研究の第一人者であると同時に、一部で「闇の科学者」と言われファウストと通じていたようなのです。
物語が進むと、ファウストの幹部である「ナイトローグ」が実は東都政府の首相の息子であり側近でもある「氷室幻徳」であることがわかります。つまり、東都政府の幻徳一派とファウストがズブズブの関係だったのです。
髪を下ろした幻徳は渋くて好みです。
また、カフェのマスターである石動惣一は、火星からパンドラボックスを持ち帰り、記者会見の場で暴走させた張本人であり、「スターク」というファウストの幹部の1人であり、龍我に葛城巧殺しの罪を着せた張本人だったのです。
そして、死んだと思われていた葛城巧は、記憶を奪われ顔を付け替えられた戦兎本人で、惣一はそんな手の込んだ工作をした張本人だったということが判明します。
これら全ては、惣一がパンドラボックスを手に入れるための行動だったというのです。
さらにさらに、美空に備わった不思議な力の正体は、遥か昔火星にあった国家の王妃「ベルナージュ」の残留思念だったことがわかります。
もう小さな子どもではついていけない展開です。
ファウストとの戦いの話がいつの間にやら三都抗争の話へ
東都、西都、北都の3都は互いに牽制し合っていましたが、東都内のいざこざが露呈してしまい戦争になります。
そして戦兎たちの前に、北都のライダー「グリス」が現れます。
グリスの中の人「猿渡 一海」
もともと農業が盛んだった北都は、スカイウォールの影響で土地がやせ細り、貧困に喘いでいました。
一海は、生まれ故郷の人たちの生活を保証してもらうことを条件に3人の舎弟を引き連れ北都政府の戦闘兵に志願したのです。
彼らは、戦兎たちの受けた人体実験(「ネビュラガス」という、超越した力を得る代わりに投与しすぎるとファウスト化してしまうガスの注入)を受けていて、強大な力を得ています。
苦戦した戦兎は、葛城巧の残した技術を危険とわかりながらも使ってビルドをパワーアップさせようとして案の定暴走、一海の舎弟を殺してしまいます。
このゴタゴタに、ファウストの幹部であったことがバレて東都を追放された幻徳も西都に拾われ兵器となったライダー「ローグ」として介入。さらにややこしくなります。
この間、ファウストの幹部だった石動惣一は三都の戦争が激化するよう裏で暗躍し続けます。
他に敵がいるのに踊らされて戦争に明け暮れる国民たちという構図はいろいろ考えさせられます。
黒幕「エボルト」の登場
戦兎たちの前にもなんども現れては消える惣一に、その度「あんたを信じてたのに!!」と怒りに震えていた戦兎ですが、実は惣一はパンドラボックスに触れた時に地球外生命体「エボルト」に体を乗っ取られていたことが発覚します。
またしても「なんと」です。
エボルトは戦兎と龍我にいろんな敵を差し向けて少しずつ成長させ、その力を取り込むことで自身が完全体になることを目論んでいたのです。
エボルトの存在がわかったことで、北都のライダーである一海は「俺たちは互いの正義のために敵同士だったが全ての元凶はあいつだ」と仲間になります。はっきり言って男前過ぎです。
西都のライダーで元ファウストの幹部だった幻徳も、実は「今のバラバラの日本を一つにまとめることができるのは自分の父だけで、その父のためならどんな汚れ役もやるしどんな力も利用する」というのが本心だったことがわかるのですが、その父をエボルトに殺されることで、戦兎たちと協力することになります。つまりファザコンでした。
エボルトの思惑どおり、一度は取り込まれた戦兎と龍我でしたが、仲間たちとの連携で無事生還。
決着のをつけるため完全体になったエボルトの元へ4人のライダーが向かうのでした。
とにかく演出が渋く、エボルトのラスボス感が半端ない
どうでしょうか?
話の良さを詳しく述べるともっと長くなるので、かなり端折って説明をしましたが、魅力が伝わったでしょうか?
他にも、葛城巧と記憶喪失後に人格形成された戦兎が脳内で問答するシーンや、エボルトの残酷な描写など、紹介したいシーンがたくさんあります。
エボルトの「今から10分おきに少しずつ地球を消滅させるからすぐ俺のところに来い」とか極悪すぎてしびれます。
こんなビルドですが、次回で終わりだと思うと非常に感慨深いものがあり、そのせいもあっていつもの倍の量も書いてしまいました。
というわけで、毎週見てる方も見てない方も、最終回をみんなで見よう!