『リメンバー・ミー』色んなものが心に刺さって参った!

はてなさんの今週のお題で『シュガー・ラッシュ:オンライン』の感想を繰り返し求めてめっちゃ見たくなってるぼくですが、正月休みに『リメンバー・ミー』をレンタルして自宅で見たので感じたことを書こうと思います。 

リメンバー・ミー (吹替版)

リメンバー・ミー (吹替版)

 

 核心には触れませんが、あらすじ紹介程度のネタバレはありますのでお気をつけくださいね。

「音楽禁止の家庭」で育った「音楽やりたい少年」

主人公の「ミゲル」君は音楽がやりたい多感な12歳の少年なのですが、ミゲルくん一家は音楽が禁止されてるんですね。

なぜかというと、ミゲル君のひいひいおじいさんがミュージシャンになりたい夢を叶えるために家族を捨てて家を出て行ったという、家族のトラウマに起因しています。

ひいひいおばあさんは、娘(ミゲルくんにとってはひいおばあさん)を育てるために靴職人となり、娘にも仕事を教え、家族を増やし、工房を大きくして行った苦労の人だったのです。

このひいひいおばあさんの残した家訓に倣い、以来ミゲルくんの家族は全員靴職人として、メキシコという陽気な街に住みながら一切の音楽を家から締め出し暮らしてきました。

ミゲルくんはそんな家に産まれながら音楽をやりたくなってしまった。

そんなミゲルくんを家族は許さないのです。

すったもんだののち、とあるきっかけでミゲルくんは死者の国に迷い込み、ご先祖様たちと対面することになるのですが、物語の本筋はご覧いただくか他のレビューにお任せするとしてですよ…

「夢をとるか、家族をとるか」テーマが重い

もちろんピクサーの映画ですからラストは大団円です。ラストはウルっときてしまいました。(それくらいのネタバレはいいですよね?)

しかしそこにたどり着くまで、特に前半、ミゲルくんには常に「夢と家族とどっちをとるのよ?」という問題が突きつけられてます。

ミゲルくんは「夢のためなら家族なんてクソ喰らえだ」ってなるし、見ててこちらもそう思ってしまうような家族の仕打ちが続きます。

このやりとりが「なまじ美大を卒業しながらもサラリーマンとなり、それでも細々絵を描いてるぼく」を射抜くんです。

「どっちか」しかないのか?

「どっちも」はダメなのか?

…まぁ、ぼくに限ったことじゃないですよね。

かつて何か夢に憧れ、その夢と現実との間に折り合いをつけた全ての大人たちに刺さっちゃうかもしれません。

「リメンバー・ミー」というタイトルは、ぼくにとっては忘れちゃってた「子どもの頃の夢」がぼくに言ってる言葉のようにも思えてきました。

 

親目線

さらに言えば「子どもの夢を応援できるか」ということも考えちゃいます。

今のところは「ユーチューバーになりたい!」って子どもが言い出しても応援できるつもりではいます。

娘にも「ステキな恋愛をしてほしい」と願っています。

しかし、例えば、いざ高校を卒業するような年齢になって息子に「ユーチューバーにおれはなる!」言われたら?

とか、

娘が「この人と結婚する」って連れてきた相手がフリーターだったら?

とか、そんなこともふと考えてしまいました。

物語はハッピーエンドですが「家族も夢も両立できるか?」というこのことについて答えは描かずに終わったように思いました。

見られた方はどう思われましたか?また教えてやってください!

とは言いつつ…

今の時代のことですからね、それこそぼくだってこうやってブログであれこれ発信して承認欲求を満たさせてもらってます。

これに満足してるからこそ、ぼくは「仕事募集」という看板を掲げる気がしないのかもしれなくて、そう考えればぼくの夢は「絵の仕事をしたい」ではなく「絵を見てもらいたい」なのかもしれません。

だったら十分ぼくは「幸せ」ですね!

おまけ

この作品、本当に登場人物の表情が素敵です。

『カールおじさんと空飛ぶ家』の時に「やっと我々が納得いく人間が描けるようになったので人間が主人公の映画を作った」というピクサースタッフのインタビューを読んだことがあるのですが「ここまで来た!」ってくらいの表情でした。

特に、物語のキーになる、ミゲルくんのひいばあちゃんがいいんですよねぇ!

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