さて、今日は前回の続きでぼくが10代だった90年代に好きだった漫画の各年ナンバーワンをつらつらと挙げていく話の後半戦です。
懐かしさとともにお付き合いください!
96年『ディスコミュニケーション』(16歳)
背景と扉絵がもはやアートです。
不思議な少年松笛くんに恋をした普通の女の子戸川ちゃんが「どうして私は松笛くんを好きになったのか」を解き明かす話なのですが、松笛くんが魔術のような不思議な力を使えることから不思議な冒険の話になり、のちに「冥界編」と言われるエピソードのクライマックスあたりまで、めちゃくちゃかっこいい戦闘シーンと不思議な冒険譚を展開してました。
が、その後突然作品の雰囲気がガラリと代わり、当初から見え隠れしていた変態性が前面に出てくる「学園編」が始まったのですが、根底に流れる哲学や心理学の話はやっぱ面白く、最終巻までずっと楽しませてくれた作品でした!
エピソードによってはなぜか泣きたくなってくるような回もあったんですよねぇ。
97年『コミックマスターJ』(17歳)
締切前夜の人気漫画家先生の自宅が完成間近の原稿用紙とともに火事で炎上してしまうシーンから始まるこの作品も衝撃でした。
そこに登場するのが、あらゆるタッチを可能としながら神速で描き上げるスーパーアシスタント。しかし依頼料は500万円、しかも引き受けるのは本人が「いい作品」と認めた漫画のみ!彼の名は「コミックマスターJ」!
というブラックジャックの漫画版みたいなハードボイルド作品でしたね。
いちいち話が壮大で、そのスケールの大きさがすごく好きでした。
98年『アルプス伝説』(18歳)
のちにラブやんを描く田丸浩史さんのキレッキレのギャグ漫画で、登山部を舞台にしたボーイミーツガールな話なんですよね。
ですが、なんと言うか今までに読んだことのないような独特なテイストでめちゃくちゃ面白いのです。
うまく表現できないのですが、ラブやんより下ネタが少なく、ギャグの純度が高い?そんな感じです。
99年『ハトよめ』(19歳)
これも衝撃でした。
終始絵本のような絵柄なのに、エロありグロありバイオレンスあり。そしてなんの脈略もなく発射される「はとビーム」。
「ああ、漫画って絵が上手くなくてもいいんだ…!」って心から思いました。
上手い下手なんてどうでもいいんです。
こんな笑える話を読ませてもらえるならぼくはもう何も言いません。
このくだらなさたるや、どんなに社会に打ちひしがれていてもどうでもよくなるレベルです。
そして当時ぼくの周りでは「うるせえ」が大ブームでした。
いかがだったでしょうか?
どれもこれも、今でも未読の方には無理やり押し付けたいような名作ばかりです。
そしてこうやって振り返ると、各年の3位まで挙げるならもっと色んなジャンルが入ってくるんですが、ぼくの中でトップクラスに強く印象に残ってる作品ってギャグが多いんだなぁ…って思いました。
今思えばどうということでもないのですが、10代の頃ってやっぱそれなりに悩んで苦しんでた時期だったんですよね。
そんな時に元気と笑いを届けてくれてたギャグ漫画って、やっぱ印象に強く残ってたのかもしれません。
やっぱ漫画っていいですね。
「これのアニメ版とかもアリだな…」なんて思ったところで今日はここまでにしようと思います。
ではっ