【読書感想】『きみの隣りで』生きがいってなんだっけ?

ちょっと心に刺さるお話を読んでしまいました。

「よつばと!」好きな方とかやばいかもしれません。

益田ミリさん著の『きみの隣りで』という本です。

きみの隣りで (幻冬舎文庫)

きみの隣りで (幻冬舎文庫)

 

 文庫ですが、中はエッセイのような漫画です。

以下、あらすじ紹介程度のネタバレがありますのでお気をつけください。

仙人みたいな暮らしをしている早川さんの日常

ぼくはこの本から読んだのですが、同じ著者さんの『週末、森で』の続編になっているようでした。もし気になれば、そちらから読んでもいいのかもしれません。

主人公の「早川」さんは、元は東京暮らしだったものの、森の近くに引っ越して翻訳家の仕事をしながら暮らしています。

歯科医の旦那さんとの間に小学生の男の子を1人もうけています。

物語は、早川さんが仕事の合間に森に散歩に行くお話や、お母さんの生き方を見たり話を聞いたりしながら日々すくすくと育つ息子くんのお話、産休代行で臨時でやってきた息子くんの担任の先生と、嫁にもいかず臨時で教師を続けている娘を心配する担任の先生のお母さんとのやりとりのお話と、東京で独身時代に連れ立って遊んでいた早川さんの親友2人と早川さんの女子会トークの話が入れ替わり立ち替わり描かれながら進んでいきます。

いろんなものを抉られるんだけど、つまり「憧れ」?

早川さんはもともと東京で暮らしていたものの、森に惚れ込んで引っ越してしまいます。

結婚して子どももいるけど、自分自身の人生も大切にしています。

そんな早川さんと対比されるように描かれる「仕事」と「恋愛・結婚」、そして「家族」に翻弄される担任の先生や東京の親友たちの生活が色々と考えさせられます。

全体を通じて「あなたにとって生きがいとは何か」みたいなのがテーマなのかな?と感じました。

女性の方が読んだらまた違う感想を抱かれるかもしれませんが、ぼくは単純に、子育てに人生を染められていない早川さんが羨ましくて「自分もそうでありたい」とそんな生活を喉から手が出るような気持ちで読みました。

先日、ふらっと美術館に行ったんですね。

そこでぼくはとある絵の前で、不意打ちのように「どうやったらこんなにも美しい絵が描けるんだろう?」と心を打たれてしまい、不覚にも泣きかけてしまいました。

自分もこんな絵が描けるように力一杯練習がしたい。と思ってしまったのです。

「仕事が忙しいから」

「子どもがいるから」

ついそんなことを思ってしまうのですが、実はそんなのは言い訳で、同じような条件でもすごい絵を描く人はいらっしゃってて、ぼくがたまにイクメンアピールをしてるのは「絵が描けないのはこんな状態だから仕方ない」と言い訳がしたいだけなんじゃないか?と思ったりして怖くなったりしてしまいました。

あー、ダメですね。

今回取り上げた本と、最近見た絵と、衝撃が続いたので心を揺さぶられてしまってるのかもしれません。

別に泣き言を描きたいわけじゃないんです。

もっと自分に厳しく時間の管理をして、絵の練習ができる時間を捻出したいな、と燃えている今日この頃です。

「時間ないならブログやめれば?」と言われそうですが、ぼくにとってはもうここは、同じ趣味や興味関心について語り合う仲間たちに会える場所で、エコール・ド・パリの画家たちにとっての「ル・ローム」や「ラ・ロトンド」といったカフェみたいなものなんですよねー。

また一週間頑張ります。