はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」
12年前ぼくは父親になりました。
子が産まれる前にも、たまに母親学級について行ってたので「お父さん」なんて呼ばれたりしてたんですが、まだまださっぱり父親になった自覚なんてありませんでした。
生まれたばかりの子をとりあえず抱かせてもらっても、不思議な気分でした。
そんなぼくののんびりした自覚を待ってくれる余裕もなく、怒涛の子育てが始まりました。
まずびっくりしたのが出かける際に持ち歩かなければならない荷物の多さでした。
おむつに着替えによだれふきにお尻ふきにミルクにおもちゃ…。
ぼくは昔から斜めがけのカバンが好きで、出かける時は必要なものをポイポイっと突っ込んで手ぶらで歩いていたのですが、愛用のカバンは一瞬で子どもグッズでパンパンになりました。
そんな頃、巷でビジネスリュックなるものが流行りはじめました。
確か東日本大震災後の、自転車通勤ブームと一緒に来たように記憶しています。
リーマンがスーツでリュックを背負うことにまだまだ賛否両論飛び交ってた頃でしたが、試しに買ってみて衝撃を受けました。
子どもグッズがギュンギュンに入るのです。
そして斜めがけカバンと違って重さも両肩に分散されるのでとても軽いしバランスが取りやすい!
以降ぼくはどこに行くにもリュックな生活になりました。
長男が産まれてから12年。
3人の子どもによるおむつの時間差攻撃もついに終わりを迎え、最近出かける際に持ち歩かなければならない荷物が激減しました。
先日ふと「あれ?もうリュックじゃなくてもイイんでない?」と思い、久々に斜めがけカバンに荷物を入れて出かけたんですね。
そしたら、なんか歩きにくいんです。
昔と比べて荷物が増えたわけではない。
なのになんか安定しないし、そもそもカバンを重たく感じてしまう…。
ぼくの体はすっかりリュックに慣れてしまったというのでしょうか。
それとも単に、ろ…老化による衰え!?
それだけ12年という歳月は長かったということなんですかね。
そーいえば、長男が小さかった頃なんて、出先でトイレに連れてこうものなら、男性用にも多目的にもおむつ交換台が無いところが多かったです。
さらに、和式便器しかなかった時の絶望感たるや…。
それでも「ここでオレがなんとかしなければならない…!」と意を決して頑張ったりとかね、懐かしいですもうやりたくないです。
今はたいていどこに行っても新しい建物ならおむつ交換台はなんとかなるんで、ほんとイイ時代になりましたね。
お食事中の方、申し訳ありませんでした。
そーいえば、道路工事中の道路標識ってトイレ掃除してるように見えますよね。