最近、prime Videoの番組が自分的に豊作で嬉しい悲鳴をあげております。
そんな中で『シドニアの騎士』の映画2本が見放題となっていたため見ました。
こちらがアニメ第一期の総集編的なもの。
そして、第二期は飛ばして、完結編がこちらでした。
ご存知の方も多いかと思いますが、少しあらすじを書きますと、地球が「ガウナ」と呼ばれてる生命体に滅ぼされて、残った人類がそれぞれ巨大宇宙船に乗って地球から脱出してはや1000年、宇宙船の1つである「シドニア」が舞台のお話なんですね。
主人公の「長道(ながて)」はシドニアの地下でおじいちゃんと2人でひっそりと暮らしていたんですが、おじいちゃんが死んでしまい、空腹のために「外に出てはならない」という言いつけを破って地上に出てしまい、シドニアの他の住人たちと知り合うことになります。
この世界では人類はぼくらより進化しちゃってるみたいで、光合成できたり、性別が後で変わる両性具有的キャラがいたり、クローンも普通のことみたいで、そんな中で旧人類のように光合成できずに腹が減る長道は初めは差別されるんですが、おじいちゃんからガウナと戦うためのモビルスーツやヴァルキリー的存在の「防人」の英才教育を受けていたため、操縦士になり戦果をあげていくことになるってお話なんですね。
シドニアは常時物資不足な様子で、その中で人々は細々と小さな幸せを集めて生活してるみたいで、しかしガウナとの攻防は毎回たくさんの死者を出すし、当てのない旅はいつ終わるかよくわかりませんし、シドニア以外の人類がどーなっているのかもよくわかりません。
こんな感じで、全体的にディストピア感ビシビシの展開になるので、原作コミックスも楽しく読ませてもらっていたのですが、この映画版は原作好き必見の作品だったと今更ながらに思いました。
戦闘シーンが原作コミックスと比べて圧倒的に見やすいのです!
コミックスファンの皆さんごめんなさい!
でも、今何が起きてて、どういう状態なのか、残念ながらぼくの読解力では漫画ではよくわからなかったあのシーンやこのシーンが、動くのです!
しかも、大迫力で。
これは凄いと思いました。
感動しました。
板野サーカスってあったじゃないですか、あんな感じです。
「おお、この戦闘シーンはこうなっていたのか!!」と、その感動に終始見舞われる、そんな映画体験でした。
それから、この作品で描かれるもうひとつの見どころは、異文化交流とダイバーシティですよね。
ちょっとだけネタバレになってしまうので、気になる方は以下は閲覧注意です。
長道は前半、複数のキャラといい感じになるんですが、最終的にヒロインポジションに落ち着くのが、これがクリーチャーと表現してもいい異形の姿のキャラで、そんなキャラとピュアっピュアなラブストーリーを展開し、手に手をとって戦場を駆け巡る展開になるんですよね。
普通であれば「ザ・ヒロイン」って造形のキャラが立つべきポジションです。
レイやアスカみたいな、ボディラインがぴっちりな衣装の美少女がいてもいいような、そんなポジションにクリーチャーです。
男女の平等や、ダイバーシティに、性的搾取云々が叫ばれる昨今「これからのスタンダードはこういう世界ですよね!?」とある種伝えてもらってるような、そんな気さえするヒロインなんです。
でも、不思議なことに、次第にこちらも慣れていって、彼女が可愛く見えていくんですよ。
それは、物語全編を通して醸される独特の雰囲気と、極限状態に置かれたシドニアの舞台設定が、ぼくらを惑わせてくれるのかもしれなくてこれはこれで、原作者の弐瓶先生の見せるサーカスなのかもしれませんね!