ぼくには「おいしいカレーが食べたくなったらここ一択」というカレー屋があります。
その店が、ルーだけのテイクアウト販売もしているんですね。
ずっと気になっていたのですが、先日ついに買って帰ってみたのです。
「これで自宅でもあのカレーが…!」と、期待に胸を膨らませて食べてみたのですが…
なんか違うわけです。
そーなんですよ。
そーいえば、そこのカレー屋はターメリックライスなんですよ。
しかも、若干パサパサめの、もうちょっといったらチャーハンになるくらいの。
そんな独特の食感と味を纏ったライスだからこそ、このルーの魅力を最大限に引き出し、見事なマリアージュを生み出すよう開発されたカレーなのでしょう。
奇跡の組み合わせを自宅で再現するのはなかなか難しいのだな、プロはやっぱすごいな、と改めて思いました。
そう考えると、スーパーで買うことのできるカレールーの懐の広さはすごいですね。
少々テキトーに作ろうが、うまい。
そして、日本人のほとんどが好き。
なんという包容力。
赤ワインとめっちゃ合うところも個人的には高得点です。
専門店のこだわりのカレーも確かにすごいですが、これはこれで企業努力を感じずにはいられません。
カレーはすごいな。
何かを極めるのはとても尊いことだと思います。
でも一方で、尖りすぎたエッジは折れやすくもなってしまうのは世の常です。
純粋で混じり気がないものほどもろく壊れやすい。
ぼくは普通の人よりはちょっと絵が描けるかもしれませんが、多くの人を感動させるような作品は作れません。
でも絵を描き続ける一方で、人並みにサラリーマンをしたりとかもできるわけで、言い方によっては器用貧乏です。
でも、だからこそぼくは専門店のカレールーではなく、スーパーで売られている誰が作っても美味しくなるルーに親近感を感じてしまいます。
よくよく考えたら、何を入れてもうまくなるところも、誰とで喧嘩せずそこそこ付き合っていけるぼくとそっくりです。
全国どこに行っても売られているけど、代わりにみんなに愛される。
それはそれで素敵なことなんじゃないか。
そんなことを思いながら、炊飯器で炊いた白米と一緒に買って帰った専門店のカレールーを頬張りました。
カレーはうまい。
でも、たまにはすごくおいしい専門店のカレーも食べたくなるので、やっぱりまたお店にも行こうっと。
最近、絵柄がブレまくりです。