グリザイユやってみた!

今日は若干、老害のぼやきのようなお話なのですが、まぁ良かったら「仕方ねぇなぁ、りとは!」って感じで付き合ってあげてください。

最近めっぽうお絵描き熱が上がっておりまして、独学ではあるんですが、ネットや書籍で見かけるイラストの技法なんかもあれこれやってみておるのです。

で、「グリザイユ」ってあるじゃないですか。

ぼくみたいな、絵の具で絵を描いてる人間からすると、グリザイユっていうのは油絵の技法で、固有色を塗る前に単色で画面を作って雰囲気を掴んでいくものなのですが、これがデジタルイラストの場合ははじめにグレースケールで明度だけ置いたレイヤーの上に、乗算やハードライト、オーバーレイなどのモードのレイヤーに固有色を置いて混食して絵を描いていく技法ってなってて、今やグリザイユっていえばこっちよね?みたいな感じですよね。

いや、べつに「おかしいだろ!」っていうつもりはないんです。

ぼくだって、たとえば「アイドル」といえば歌って踊れる見目麗しい美男美女のことであって土偶だなんて思ってませんし「アバター」といえばネット上で自分の分身として動くキャラクター、もしくは青色の巨人であって、決して仏像だとは思っていません。

そんなわけでぼくもグリザイユに挑戦してみました。

あーまだまだ精進が足りませんね。

なんか、色が予想以上にくすむので色味を抑えてみたら全体が薄味になってしまった感じです。

まあ、こうやって試行錯誤するのも楽しいひとときです。

お絵描きは本当に楽しい。

ところで、グリザイユのやり方とかをネットで調べていると「厚塗り」という言葉がよくセットで登場します。

グリザイユは厚塗りの表現をしたい人に向いてるというわけですね。

ここでまた、老害なぼくはこの「厚塗り」という言葉の使い方がしっくり来ないわけです。

厚塗りって、もぉ、横からみたら立体感ボコボコな厚みがある、見た目にも物理的にも重厚感万歳の絵のイメージで、マチエールのないモニターに描かれた絵に厚塗りっていうのがピンとこないんです。

横から見たらレリーフみたいな凹凸のある絵を見た時に「ああ厚塗りだな」って言葉が出てくるんです。

固有色の上にハイライトや影などの周囲の環境の色を乗せて色に変化をつけていくのは、厚塗りというよりは重ね塗りって言葉がしっくり来ます。

塗りのムラで画面に表情をつくっていくのは、なんだろう?滲みやぼかし、掠れ、筆致、みたいなそれぞれの名前がやっぱりしっくりきて、総称して何がし、みたいな言葉は思い浮かびません。

「水彩筆で厚塗り」って言葉も面白いなって思います。

水彩画って、完成というかゴールがある程度決まっていて、ある種水墨画のようにサラッと、それでいて無駄のない筆はこびで画面をつくっていく絵じゃないですか。

そんな水彩画風の表現をするための筆で、コテコテと厚塗りができてしまうっていうのは、まさにデジタルならではですよね。

これとて別に非難しているわけじゃないんです。

「デジタルでしかできない表現がしたいからこそデジタルで描いた」って絵にこそ魅力があると思うので「水彩筆で厚塗りしました」なんて「まさにソレ!」だと思うんです。

それに引き換えるとぼくは、準備と片付けが簡単で絵の具が減らないっていうのがデジタルでお絵描きしている理由なので、そーいう意味ではデジタルを活かせてはいないのかもしれません。

まぁ、でも楽しいからいっか。

本日はぼやきにお付き合いいただきありがとうございました。

あれ?本日に限らずいつもぼやきか。