『有罪、とAIは告げた』を読みました

今日は中山七里 さん著の小説『有罪、とAIは告げた』を読んだ感想を書こうと思います。

chatGPTがブワーッと世間を賑わせはじめた当初「人の仕事がなくなる!」みたいな言説が飛び交ってた中に「裁判官がAIになる」ってのもラジオで聴いたことがあったんですが、まさにそんな内容のお話でした。

主人公の高円寺円さんは、東京地方裁判所の若手裁判官なのですが、上司から「今度AI裁判官を導入することになったから担当してくれ」と言われます。

これが、国家的な政治のあれこれで導入されることになった中国製のAI「法神」というシロモノで、胡散臭くもありつつ、とはいえ昨今の日本の裁判官の仕事量の激増から縋れるなら藁にでも、みたいな感じで、おっかなびっくり試験導入してみたところ、現場からは喜びの声が!みたいな話となり、そんな中、18歳の少年の父親殺しの事件で法神を使うという話になり、裁判員として集められた人たちと、法神の下した判決について議論する中、円さんは色々な葛藤をするのでした…ってのが話の大きな流れです。

ここまでのあらすじでお分かりの通り、現代日本の諸問題を風刺しつつ、将来起こりえそうなことについて思考実験してみました、ってな内容で、そこに一筋縄ではいかない父親殺しのドラマというかエピソードが絡んできて、読ませるなーって感じのお話でした。

生成AIといえば、今やchatGPTさんの独壇場ってわけでもなくなってきていて、Microsoftのコパイロットさんなんかはもう「WordやExcel使ってたら知らぬ間に使ってた」みたいになりそうですし、ぼくのご贔屓にしているAppleさんも、Appleカーの開発に携わってたメンバーを生成AI部門に回すってなニュースもありましたし、これからますます加速しそうな感じですよね。

ぼく自身としても、各種AIさんが仕事の下支えをしてくれて、その結果余暇の時間が増えて、趣味のお絵描きを楽しむことができるなら、大歓迎だなーと思っています。

くれぐれも、業務が効率化されたからその分仕事を増やしましょう、みたいな、パソコンが浸透した時の二の舞みたいなことはやめていただきたいなと思っています。