小川糸さん著の小説『椿ノ恋文』を読みました。
このお話はぼくが感動でおいおい泣いた『ツバキ文具店』のシリーズの代3作目にあたるお話です。
どんなお話かっていうと、鎌倉で文具店を営んでいた祖母に育てられた鳩子さんが主人公で、複雑な家庭環境のせいでちょっと捻くれた青春時代を送った鳩子さんが、祖母が亡くなった後、祖母の店を継ぐところから始まるお話で、祖母の仕事を引き継ぐ中で、祖母がどんな人だったのか、いかに自分が祖母に愛されていたかに気づきながら、鳩子さんが成長していくってお話なんですね。
で、その物語も第3弾となると、鳩子さんは大切な人を見つけ、結婚し、3児の母になりながら、祖母の店も経営しつつ奮闘するって話になってきました。
これ以上あらすじを描こうと思うと過去2作のネタバレを大いにぶちまけることになるので、内容に触れるのはこの辺りにして、ぼくの小説の楽しみの話でもしようかと思うんですが、まー世間の一部では「役に立たない」とか「時間の無駄」とか言われがちな小説ですが、こんなにいつでもどこでも簡単に没入して戻ってこられる物語ってないと思うんですよね。隙間時間のお供に最高だと思うんです。
そして何よりぼくにとっていいのが、共感できる登場人物が出てきた時に「わかるぅ〜!」ってなって、そんなキャラがすったもんだのなんやかんやの末に問題を克服したり成長したりする姿を目撃すると、架空の人物だとわかっていても「おれも頑張ろう」なんて、どんなエナジードリンクよりもテキメンにメンタルに効いたりするところなんですよね。
漫画やアニメ、ゲームなんかでも味わえることがあって、だからぼくは物語が好きなんだなぁ、と思います。
『椿ノ恋文』もそんな効果のあったお話でした。