新国立競技場をつくらないっていう選択肢もあるそうですね、なるほど。

ロゴのデザインの方が今すごく話題になってますが、なんとなく「世の中のいろんな不満のはけ口」みたいな様相を呈してるのが見ててちょっと辛いそんな今日この頃です。とはいえ広く一般から公募できないシステムもなんかウラがありそう感は否めないのですけどね。

それはさておき、この件のおかげで矢面から避難してる感のある新国立競技場建て替え問題なのですが、「新しく建てない」という選択肢があるそうなんですね。建築デザイン好きとしてはちょっと面白い話です。

新国立競技場のゼロオプション|河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり

なるほど

2015/09/04 08:59

どうやら、今ある競技場を使えばすべての競技はできるらしくて、新しいハコが必要なのは開会式のためらしい。なので「青空開会式」にしてしまえば新しい競技場をつくる必要はないって話です。

そうなんだ!知らなんだ!!

以前、グラフィックデザイナーの原研哉さんの「デザインのデザイン」て本で読んだのですが、2005年に開催された「愛・地球博」の当初のコンセプトに、自然との共生の観点からこれまでの万博のように大きなハコモノをつくらず野山にブースを点在させて「今後ハイテクは自然と融合する」的なコンセプトの万博をやろう。て動きがあったことが書かれてました。

で、原研哉さんがデザインしたポスターのデザインは江戸時代の絵師、高木春山をオマージュした日本画風の動植物が描かれたもので、すげーカッコよかったのです。

デザインのデザイン

デザインのデザイン

 

 

動物 (本草図説)

動物 (本草図説)

 

それがどうやら「やっぱ大きなハコモノつくらないと客が来ないよネ!」て感じで高木春山的動植物たちは姿を消し、モリゾーとキッコロに取って代わり「自然と融合した野山に点在するブース」もつくられず皆さんの記憶の通りの愛・地球博になったのでした。

まあ、当初案通りの方が来場者数が伸びたかどうかはぼくにはわからないので、完全に批判するなんて大それたことはできない(小さなこどもは絶対、高木春山的動植物よりモリゾーキッコロと記念撮影がしたいと今ならわかる)のですが、大阪万博ハコモノがすべてなくなり「万博のあり方を皮肉った太陽の塔だけが残ってる」ていう事実があるのになー、なんて当時20代だったぼくは思ったのでした。

あれから10年、「これからの時代はモノよりコト」が世間についに受け入れられて「オリンピック初(古代まで戻ればあったかもだけど)」の青空開会式が開催されるのか、今まで通り「やっぱイベントやるならハコモノいるよね」になるのか、新国立競技場に関する動向は個人的に気になるところです。