読書

【読書感想】『椿ノ恋文』を読みました

小川糸さん著の小説『椿ノ恋文』を読みました。 椿ノ恋文 作者:小川 糸 幻冬舎 Amazon このお話はぼくが感動でおいおい泣いた『ツバキ文具店』のシリーズの代3作目にあたるお話です。 rito.gameha.com どんなお話かっていうと、鎌倉で文具店を営んでいた祖…

【読書感想】『波に乗る』を読みました

はらだみずきさん著の小説『波に乗る』を読みました。 波に乗る 作者:はらだ みずき 小学館 Amazon ちょっとねーこの作品、慌ただしく現代社会の荒波に揉まれてる人間からすると「ああ、いいな、こういうの…」みたいな、そんなことを思いながらどんどん作品…

『レーエンデ国物語』を読んでいます

今年もあと半月ほどで前半終了ですが、2024年上半期りと的本屋大賞になりそうな小説のお話を今日はしたいと思います。 多崎礼さん著の『レーエンデ国物語』です。 以下ぼくの感じた魅力を書きたいと思いますが、事前情報入れずに読んだ方が絶対いいので、す…

『東京都同情塔』を読みました

何かと話題になっていた九段理江さん著の小説『東京都同情塔』を読みました。 東京都同情塔 作者:九段理江 新潮社 Amazon この作品の面白さは、芥川賞受賞後のインタビューとかで語ってらっしゃる著者さんの思惑通りに賛否両論が沸き起こった(ている)とこ…

『有罪、とAIは告げた』を読みました

今日は中山七里 さん著の小説『有罪、とAIは告げた』を読んだ感想を書こうと思います。 有罪、とAIは告げた 作者:中山七里 小学館 Amazon chatGPTがブワーッと世間を賑わせはじめた当初「人の仕事がなくなる!」みたいな言説が飛び交ってた中に「裁判官がA…

【読書感想】『なれのはて』

最近『なれのはて』という小説を読んでいました。 以下あらすじ紹介程度のネタバレがあります。 テレビ局で働く守谷さんという男性が主人公なのですが、物語冒頭、何か社内での問題がきっかけで休職→復帰後イベント事業部へ異動というシーンから始まります。…

『存在のすべてを』を読みました

ぼくが珍しく作家さんの名前だけで新刊が出たら読んでいる塩田武士さん著の小説『存在のすべてを』を読みました。 存在のすべてを 作者:塩田 武士 朝日新聞出版 Amazon 今回もビビるぐらい面白く、以下あらすじ紹介程度のネタバレがありますので、読む予定の…

『誰が勇者を殺したか』という小説を読みました

ドラクエ直撃世代のぼくは、子どもの頃からたくさんの「荒廃したファンタジー世界に勇者が登場し、仲間たちと協力し魔王を倒しにいく」という物語に胸踊らされました。 当時創刊された月刊少年ガンガンではそんかテンプレートの作品がたくさんあって、次々供…

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』というすごいSF小説を読みました

読者登録させていただいている読書家ブロガーの皆さんがこぞって「すごい」と語っておられた小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読み終えました。 界隈では「三体の次はこれ」と囁かれるほどの作品なのですが、個人的には三体より面白かった…!(個人…

『ハヤブサ消防団』を読みました

面白かったー、と読み終わってから知ったのですが、この小説ドラマ化してたんですね。あ、だから平積みされてたのか。 というわけで池井戸潤さん著の小説『ハヤブサ消防団』がすごく面白かったので感想を書きます。それと、少しだけあらすじ紹介をします。 …

『近畿地方のある場所について』を読みました

「なんか話題になってるなー」と思って読み始めたらものすごく怖くて気持ち悪い本で、読み終わった後「え?これもしかしてホントのこと?最後まで読まない方がよかった?」とか思ってネットで検索したら「20年後くらいに図書館で読んだ人が、これ本当のこと…

【読書感想】『図書館のお夜食』こんな図書館があっても楽しいなぁ

原田ひ香さんの小説『図書館のお夜食』を読んだので感想を書きます。 図書館のお夜食 作者:原田ひ香 ポプラ社 Amazon 以下少しだけあらすじを書きます。 昔から本に携わる仕事がしたかった主人公の「樋口乙葉」さんは東北の書店に就職するも、体育会系の上司…

【読書感想】『ユーチューバー』淡々とした物語に引き込まれた

村上龍さん著の小説『ユーチューバー』を読みました。 ユーチューバー 作者:村上 龍 幻冬舎 Amazon 不思議な魅力に引き込まれる小説でした。 以下少しだけあらすじを書きます。 親族の経営するお茶屋に縁故で就職して働いていたものの、周囲から七光で働いて…

『彼女が言わなかったすべてのこと』を読みました

またしてもむちゃくちゃ刺さる小説を読みました。 桜庭一樹さん著の小説『彼女が言わなかったすべてのこと』です。 以下、ネタバレにならないよう感想を書きます。 彼女が言わなかったすべてのこと 作者:桜庭 一樹 河出書房新社 Amazon 主人公の「小林波間」…

【読書感想】『街とその不確かな壁』

今日は村上春樹さん著の小説『街とその不確かな壁』を読んだ感想を書きます。 長くて複雑なお話なのに「めっちゃスルスル読めてしまった!」っていう不思議な体験をしてしまいました。これはとても楽しい体験でした。 街とその不確かな壁 作者:村上春樹 新潮…

【読書感想】『鈍色幻視行』ミステリでホラーで人間ドラマで

恩田陸さん著の小説『鈍色幻視行』を読みました。 以下、核心には触れませんがあらすじ紹介程度のネタバレがあります。 鈍色幻視行 (集英社文芸単行本) 作者:恩田陸 集英社 Amazon 主人公というか、ストーリーテラーになるのは蕗谷梢さんという40代の小説家…

【読書感想】『ほたるいしマジカルランド』働いて幸せになる物語

今日は寺地はるなさん著の小説『ほたるいしマジカルランド』の感想を書きます。 ほたるいしマジカルランド 作者:寺地 はるな ポプラ社 Amazon 以下、あらすじを紹介する程度のネタバレがあります。 この物語は、大阪の北部のベッドタウンに位置する遊園地が…

【読書感想】『そして、よみがえる世界』未来はユートピアな方がいい

今日は西武豊さん著の小説『そして、よみがえる世界』を読んだ感想を書きます。 あらすじを紹介する程度のネタバレがありますのでお気をつけください。 そして、よみがえる世界。 作者:西式 豊 早川書房 Amazon 主人公の「牧野」さんは、前途洋々な脳外科医…

【読書感想】『古本食堂』疲れた時に読むと沁みる系物語

東京に出張や遊びに行くと、高確率で親切な見知らぬ人に声をかけられます。 そのたびぼくは、子どもの頃は都会は怖いところだと思ってたけど自分の地元よりよほど暖かいなぁ、とか思ってしまいます。 人が多いから、いい人にエンカウントする率も高いのかも…

【読書感想】『朱色の化身』塩田武士さんの作品はすごい

『罪の声』で度肝を抜かれて、以後新作が出るたびに読んでいる塩田武士さんの『朱色の化身』を読み終えたので、今日は感想を書きます。 今作も凄かったです。 朱色の化身 作者:塩田武士 講談社 Amazon 以下あらすじ紹介程度、内容に触れますのでお気をつけく…

【読書感想】『N』紙媒体の小説の秘めたポテンシャル

今日は道尾秀介さん著の小説『N』を読んだ感想を書きます。 N (集英社文芸単行本) 作者:道尾秀介 集英社 Amazon 本の構造が面白い小説で、以下ネタバレなしで書きます。 繰り返しますが、本の構造がめっちゃ面白いです。 全六章の短編ミステリなのですが「…

「静かな人」の戦略書

以前ゆきにー (id:yuki_2021)さんが紹介されてたこちらの本を読見ました。 「静かな人」の戦略書: 騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法 作者:ジル・チャン ダイヤモンド社 Amazon ここで書かれる「静かな人」とは、いわゆる「コミュ障」とい…

【読書感想】『いけない』気持ち悪すぎて一気読みの小説

最近ブログであんまり読書感想記事を書いてないんですが、実は読書は続けています。 今日はあまりに気持ち悪すぎて一気読みしてしまった道尾秀介さん著の小説『いけない』の感想を書きます。 あらすじを紹介する程度のネタバレがあります。 いけない (文春文…

【読書感想】『レジェンドアニメ!』仕事頑張ろうって思う

今日は辻村深月さん著の小説『レジェンドアニメ!』の感想を書きます。 ネタバレはしないようにします。 レジェンドアニメ! 作者:辻村深月 マガジンハウス Amazon この話は、辻村さんの『ハケンアニメ!』と言う小説の、スピンオフというかなんというか、ハ…

【読書感想】『変な絵』変じゃ済まされない気味の悪さを楽しむ

雨穴さん著の小説『変な絵』を読みました。 この小説、ホラーとミステリのハイブリッドで、気味が悪いやら面白いやらで一気読みです。 変な絵 作者:雨穴 双葉社 Amazon 以下、ネタバレしないようにあらすじと感想を書きます。 プロローグは、心理学者の萩尾…

【読書感想】『三体X 観想之宙』同人誌の到達点の1つだと思った

今日は小説『三体X 観想之宙』の感想を書こうと思います。 今回はあらすじも書いてないです。 三体X 観想之宙 作者:宝樹 早川書房 Amazon 日々ネットをフラフラと彷徨っていて、かつ本にも興味がある方はまず間違いなく見かけたことがあると思う「三体」と…

【読書感想】『invert II 覗き窓の死角』ついつい読んじゃうシリーズです

今日は相沢沙呼さん著の小説『invert II 覗き窓の死角』の感想を書きます。 本作、前作までのネタバレはしないように気をつけますが一切情報入れたくない方はご注意くださいませ。 invert II 覗き窓の死角 城塚翡翠 作者:相沢沙呼 講談社 Amazon 霊…

【読書感想】『オリーブの実るころ』愛と家族の物語

改めて考えてみると、結婚というのは面白いもので、ぼくら世代だともうほとんどは恋愛結婚なわけですが、はじめは「あの人いいなぁ」って感じで気になりはじめ、すったもんだのなんやかんやの押したり引いたりの末に、交渉成立すれば恋人同士という甘い関係…

【読書感想】『 invert 城塚翡翠倒叙集』ミステリ小説を読む姿勢を問われた!

さて本日は相沢沙呼さん著の小説『 invert 城塚翡翠倒叙集』を読んだ感想を書こうと思います。 invert 城塚翡翠倒叙集 作者:相沢沙呼 講談社 Amazon ぼくはテレビを見る習慣がないんで見てないんですがドラマ化されてぼくの好きな及川ミッチーさんも出…

【読書感想】『同志少女よ、敵を撃て』美少女スナイパーの生き様に夢中になる

みなさん、百合はお好きですか? 今日は、逢坂冬馬さん著の小説『同志少女よ、敵を撃て』の感想を書こうと思うのですが、ぼくは第二次世界大戦を舞台とした作品がやや苦手な傾向にあり、この小説が話題になってた頃も気になりつつ読むのを躊躇っていました。…