『誰が勇者を殺したか』という小説を読みました

ドラクエ直撃世代のぼくは、子どもの頃からたくさんの「荒廃したファンタジー世界に勇者が登場し、仲間たちと協力し魔王を倒しにいく」という物語に胸踊らされました。

当時創刊された月刊少年ガンガンではそんかテンプレートの作品がたくさんあって、次々供給されるそのての物語をワクワクしながら読んでましたた。

いつからか、そのテンプレートをメタ的に見て変化球で楽しむ作品が流行り出したなーと思って、ぼくが初めてそう感じたのは「まおゆう」って作品だったのですが、今は「葬送のフリーレン」がその系譜で大ヒットしている作品だなーって思って見てます。

って、なんか考察くさくて恥ずかしくなってきたのですが、何の話かっていうと「これまた同じ系統で面白いのがあったなー」って思った小説を読んだのでその感想が書きたかったのです。

『誰が勇者を殺したか』という小説なんです。

物語は、かつて魔王の侵略を受けていた国が舞台です。

この国では魔王が出現するたび予言者が現れ、勇者の誕生を予言します。魔王を倒した勇者は王国の姫君と結婚し、次期国王となります。

今回、予言者に選ばれた勇者も、無事魔王を倒すことができたのですが、王国には帰ってきませんでした。

共に戦っていた仲間たちの話では、帰国の際に待ち伏せしていた魔王の配下の奇襲をうけて殺されてしまったというのです。

しかし勇者は、出立時に姫に向かって「必ず魔王は倒しますが、ぼくは帰ってこないのであなたは好きな人と結婚してください」と告げていたのでした。

数年後、勇者の功績を後世に伝えるための本を出版するため、勇者はどんな人物だったかを1人の文官が聞いて回るのでした、って話を主軸に物語がはじまりました。

というわけで「世界を救った勇者を殺したのは誰か?」というミステリー仕立ての物語で、冒頭に書いた「ドラクエドンピシャ世代が楽しんできたテンプレートのに秘められた歪さをあぶり出していく」というなかなかにエグい物語で、ぼくはとっても面白かったです。

ところで、ぼくがこのブログでたまに書いてる漫画のこの主人公くんですが、

じつは高校時代に描いた「魔王を倒した勇者が国に戻って英雄になるのではなく、そのまま何にも縛られない自由気ままな諸国漫遊の旅に出る」っていうストーリーの漫画の主人公が原型なんです。

世が世なら、ぼくも売れっ子漫画家になってたかもしれませんね。

…なんて思ってる人は、ぼく以外にもたくさんいるんでしょうね。

あ、現状に後悔はないですよ?