【読書感想】『invert II 覗き窓の死角』ついつい読んじゃうシリーズです

今日は相沢沙呼さん著の小説『invert II 覗き窓の死角』の感想を書きます。

本作、前作までのネタバレはしないように気をつけますが一切情報入れたくない方はご注意くださいませ。

霊媒師探偵の主人公「城塚翡翠」ちゃんシリーズの3作目になります。

前2作もブログで書いたんですが、この「霊媒師で探偵」という特殊設定、はっきり言って最初見た時はイロモノっぽい印象だったのに、いくらでも続けられそうなくらい面白いです。

このシリーズは、一貫して犯人が先にわかる倒叙ミステリのスタイルで、犯人の前にミステリアスでゆるふわな美女の翡翠ちゃんがひょっこり現れて、犯人はじわじわと追い詰められていくのですが、今回は、うっかり殺人者になってしまった15歳の少年と、翡翠ちゃんをアリバイの証人に仕立て上げようと画策する犯人のエピソードの2本立てでした。

それぞれの事件はそれはぞれで面白いのですが、例えばコナンくんも毎週事件を解決しつつ、黒の組織との戦いがちょっとずつ進んでいくように、この物語も「なぜ翡翠ちゃんが霊媒師探偵やってるのか」ってエピソードがちょっとずつ語られてくんですね。

と同時に、いつも明るく元気な翡翠ちゃんの、弱い部分や心の葛藤なども、次第に垣間見えるようになってきて、これはシリーズを重ねていくからこそ楽しめる物語の醍醐味ですよね。

それがまー気になって気になって!

というわけで、これからも追っかけていきたいなーってお話でした。

そして、このシリーズは、他のミステリものでもたまにあるんですが、登場人物の中にミステリマニアがちょいちょい登場して、ミステリについて熱い討論をかわすんですよね。

このブログは、イラストと雑記と読書感想を三本柱にしているくらい、ぼくにとっては読書って「趣味の1つです」って言えるものだと自負してるんですが、登場人物たちの熱い議論を聞いている(読んでいる)と「ああ、ぼくは薄っぺらいなぁ」って思わされます。

ただ「詳しくない奴が知ったような口して語ってはいけない」っていうのも違うかなって思うんですよね。

専門家ではない人が政治について語ってはいけない社会はもはや民主主義ではありませんし、詳しくない人が安易に触れてはいけない芸術になんて未来はないように思うんです。

というわけで、このブログではおそらく今後もぼくが面白かったと思った小説のあらすじから関連した四方山話をダラダラと語って終わる記事が続くことと思いますので「面白いなー」って思われた方はお付き合いいただければと思います。