面白かったー、と読み終わってから知ったのですが、この小説ドラマ化してたんですね。あ、だから平積みされてたのか。
というわけで池井戸潤さん著の小説『ハヤブサ消防団』がすごく面白かったので感想を書きます。それと、少しだけあらすじ紹介をします。
主人公の三馬太郎さんは、デビュー作が大きな賞をとったミステリ小説家です。
しかし、以後の作品が鳴かず飛ばずなまま数年を送ります。そこにお父さんの訃報が届きます。
葬儀ののち、お父さんがハヤブサ地区という場所に家を持っているこを知ります。
家をどうするか判断するために現地へ赴いた太郎さんは、豊かな自然に魅入られてしまい、東京から移住することを決断します。
移住先で太郎さんは地元住民の方々と親交を深めていくことになるのですが、早々に消防団への入団を誘われます。
小説家になるほどの文化系の太郎さんなのですが、これも田舎特有の人間関係と割り切って入団を承諾します。
しかし、入団式の当日に火災が発生します。
わけもわからず消化活動に参加する太郎さんは、そこで消防団の重要性と、人の生活が燃えていく様子を目の当たりにします。
そして、ハヤブサ地区で連続して火災が起きていることを知ります。
…みたいな感じで始まるのですが、お話は、太郎さんの悠々自適な田舎暮らしと、田舎特有の濃い人間関係(ここで登場する人物たちがみんな個性的、魅力的なんです)と、そして突然起こる火災のスパイラルで進んでいきます。
そして次第に太郎さんは、火事の標的となった家の共通点に気づき、その裏にとあるカルト教団の影が見え隠れし始めます。
この、じわじわと迫ってくる恐怖と、ちょっと癖のある牧歌的な人々、次第に誰が味方で誰が敵なのかわからなってくる感じがなんともいえない訴求力となって、ページをめくる手が…手が、止まらない…。
面白い本でした〜。