相変わらず昼ごはん食べながら読書してます。ああ、憩いのひと時。「ご飯の味がわからなくなる」という説もありますが、現代社会で働くリーマンは物語も愛妻弁当も味わってやるぜ!てなもんです。
この本、タイトルが上手い!
不安定な働き方なのに不幸な感じがしない現代の若者を一発で描写してる!と思わされたりしたおっさんです。
内容は、時給800円で働く若者の悲喜交々5編の物語が描かれたオムニバス小説です。
最初は漫画喫茶で働く大学生。次はアパレルショップの女子。それから父親が経営してた場末のパチンコ屋を受け継いだ元起業家。ミュージシャンを目指して上京したけど帰ってきての実家の農業夫婦。夢も希望もなく働くフリーター女子とITベンチャー社長。と、物語が続くのですが、面白い。
ありそうなエピソードから始まって、次第にファンタジーな設定の物語になっていくのですが、それに比例して「働くって大変よね」という思いが「なんで働かないといけないんだっけ?」という問いに変わって自分の中で膨らんできます。後半はほぼ問題提起と受け取りました。「ぼくらは幸せになるために生きてるんじゃないの?」と。
ああ、なんでこんなに仕事頑張ってるんだっけ?
ちょっと不思議なこの気持ち。ぜひ体験してみてもらいたいです。