ぼくはイケメンではない
おお…なんと悲しい響きでありましょうか…。しかし寝ても覚めても変わらぬ事実であります。毎朝目覚めて、鏡を覗けば、そこには昨日と変わらぬ自分の顔が写っています。下手したら、飲みすぎたせいでむくんでいるかもしれません。
ただ、確かにイケメンではありませんが、ブサメンにはならないように気をつけているんですね。
36年、人間として生きてみてわかったことがあります。「イケメン」は産まれた時に神に祝福されてその地位を約束されるものですが、「ブサメンにならない」ための工夫は自分でなんとかなるって事実です。
まとめると、この世には「イケメン」「非ブサメン」「ブサメン」の三種類のメンがいることになります。そして実は「非ブサメン」は十分恋愛市場に参戦できるんです。
もちろん、「おれは恋愛市場なんで糞食らえだ!」というのであれば構わないのです。でも、ぼくは10代の頃、心から思っちゃったんです。
「自分がイケメンじゃないのはわかっている。でも、恋愛がしたい!」と。
ちょっと前に「政宗くんのリベンジ」という漫画を読みました。
「ただしイケメンに限る」という世の真理に触れたブサメン主人公の政宗くん。彼は、ふてくされて泣き寝入りするのではなく「イケメンになって見返してやろう、とくにブサメンってだけで自分を豚足と名付けいじめた安達垣 愛姫(ヒロイン)を見返してやろう」と血のにじむイケメンになる努力をします。
動機が個人的な欲でも、成し遂げられれば「美しい努力」になると思うんです
物語は、イケメンになって帰ってきた政宗くんの復讐の日々を描くお色気ありの学園ラブコメディなのですが、非ブサメンになることを目指したぼくにとって、一足飛びにイケメンにまで上り詰めた政宗くんはいわば憧れの存在。偶像として描かれています。
イケメンになっても、ブサメンだった頃のトラウマから自信が持てず、謙虚なイケメンに仕上がってる政宗くん、「こんなとき、イケメンはこうするよな」と念入りに確認する姿が微笑ましいのです。「そうか、ぼく程度の努力ではラッキースケベなんて出合うはずもないな。」と反省させられます。
この漫画は「どうせおれイケメンじゃねーしとか言ってふて腐れてるお前ら!努力すれば未来はあるぜ!」という、未来を見せてくれる作品だなー、と感じました。そして改めて思うんですね、努力を惜しまない人は、どんなジャンルであれ応援したくなるよなー、と。