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前前前世からアナタを探して転生する少女の話「月の満ち欠け」【読書感想】

こんにちは、りとです!

今日は先日の出張中、ホテルで読んでた小説の感想を書きます。

この本、個人的にめっちゃ面白かったです! 

月の満ち欠け 第157回直木賞受賞

月の満ち欠け 第157回直木賞受賞

 

初老の小山内の前に現れた昔事故で死んだ娘の記憶を持った少女

いつも通り冒頭のネタバレを含みながらあらすじの紹介をしますね! 

この物語は、主観がコロコロ変わります。一気読みしないと「あれ?今誰目線だっけ?」ってなりそうです。そんな物語冒頭のストーリーテラーは、ちょっと垢抜けないくたびれた印象のおじさん、小山内さんです。

物語は、彼がとある人物に呼び出された待ち合わせ場所のカフェから始まります。

待っていたのは7歳の女の子とその母親です。

小山内さんがオーダーすると、女の子が言います。

「どら焼きのセットにすればいいのに。昔3人で食べたよね。」

女の子の名前は『るり』と言いました。

小山内さんは、昔事故で奥さんと娘を同時に亡くしています。死んだ娘の名前は『瑠璃』。享年18歳。

『瑠璃』の記憶を持っていると主張する『るり』と言う女の子、確かに彼女は7歳とは思えない言葉使いて、大人びた振る舞いをしています。

世にも奇妙な物語」的な不気味な冒頭

「何を馬鹿げたことを…」といった態度を取りながら、小山内さんは心の中であることを思い出します。

生前、娘の瑠璃は7歳の時に謎の高熱に見舞われ、その後不思議な言動を時々見せるようになっていたのでした。例えば瑠璃が産まれる前に流行っていた歌を口ずさんだり、小学生には難しい短歌をノートの端に書いたり…。

奥さんはそのことにいち早く感づき、小山内さんに相談していたのですが「大人になる途中で心が不安定になってるんだろう」と別段とりあいませんでした。でも、奥さんは確信していたのです。

「娘の中に、誰かいる。」

この描写がすごく不気味なんです。

世にも奇妙な物語」を連想させるような、ひたひたと「気味わるさ」が歩み寄ってくるような、そんな瑠璃ちゃんの姿が、奥さんの口から説明させるシーンが続きます。

ホラーになるのかしら?と思ったらラブストーリーだった!

小山内さんが呼び出されたカフェには、もう1人やってくる予定になっていました。

その人の名前は三角さん。誰もが知ってる外資系企業で役職付きのエリート街道を歩いている三角さんは、小山内さんと同年代のおじさんです。

『瑠璃』ちゃんの子供の頃の不思議な言動と死の顛末について語られたあとは、待ち合わせ時間を過ぎても現れない三角さんの大学時代のエピソードが始まります。

彼は学生時代にバイトしていたレンタルビデオショップで運命的な女性と出会い、恋に落ちます。そして、当時二十歳だった三角さんの前に現れた、年上の女性の名前も『瑠璃』と言ったのでした…。

 

…と、このお話の面白さを伝えるには、もう少しネタバレしなければならないのですが、それではこの本の魅力が削がれてしまうのでここまでにしたいと思います!

この小説の面白さは、一本の大きなストーリーを、次々と色んな人の視点を渡りながら断片的に読んでいって、最後に「そういうことか!」と分かるところです。一言だけ言うと、最後に完成する一本のストーリーは「ピュアな恋の物語」です。

これは極上のファンタジックラブストーリーだなー、と。映画化しそうだなー!と思いました。

ラストのあっさり感が良い

これもネタバレしませんが、最後に「え!?」って思わせながら、思わせたまんまするっと終わるんです。この終わり方のせいで、アフターストーリーを妄想せずにはいられませんでした。ずるいです。ずる過ぎて悶えます。この「悶え感」を共有したいので、ぜひ気になられた方はご一読ください!

ではー