地方民なのでどうしたって東京に憧れてました

ぼくが学生の頃って、また音楽をダウンロードする文化が根付いてなかったんですよ。

当然YouTubeなんてものもなかったわけで、当時なけなしの小遣いで買ったCDやレンタルしたCDをダビングしたカセットテープやMDを何度もなんども聴くわけなんですが、ぼくみたいに美術の大学に通うと「課題制作」という膨大な自分との戦いの時間があって、流石に手持の音楽は飽きてしまったり、もっと言えば1時間ごとにCDやMDを入れ替えるのが面倒になっていくわけなんです。

そんなこんなでぼくの相棒になったのが、ラジオでした。

当時、地元のFM局の中に「J-WAVE」をネットしているところがありました。

J-WAVEは地元の番組に比べて取り扱ってる内容がとてもお洒落で、ぼくの中での「東京」は完全にJ-WAVEを中心に形作られていきました。

「理系の人々」って漫画で「J-WAVEがお洒落って思ってるのはお洒落じゃない人だけ」みたいなネタがあったのですが「J-pop」って言葉やクリス・ペプラーさんを輩出した功績はやっぱり偉大だと今でも思うんです。

初めて一人で東京に行った時、

「ここがJ-WAVE の東京かぁ!」

という謎の感激がありました。

今考えると本当に謎です。

以後、プライベートや仕事でポロポロと東京に行くようになるわけなんですが、ぼくの肌感覚だと、東京の雑貨屋に並んだものや、流行している店は、半年くらいの時差を経てぼくの地元で見かけるようになる感じでした。

そして、思ってた以上に緑が多かったと感じたのを覚えてます。

東京で働いてる友人に聞いた話なんですが「功罪ある人だけど石原都知事は東京からゴミのポイ捨てを減らしてくれた。」と当時言ってました。

ちょうど国立新美術館ができた頃だったので、六本木界隈が「現代アートの街」みたいになってって、ぼくの中で「ファインアートは上野、現代アートは六本木」みたいになってった事もあり、余計に憧れが募りました。

思えば、ぼくが子どもの頃は漫画の発売日は2日遅れでしたし、ガンダムWも地上波では見られませんでした。

あ、でもガンダムSEEDは1週間遅れでした。

とにかく東京は、キラキラとした憧れの街だったんです。

なんの話でしたっけ?

あ、住みたい街ですね。

こんな街に住んだら、きっと刺激的な事が多いだろうなぁって思ってました。

…とはいえ、実はぼくは今住んでる街も好きです。

ぼくみたいな一般的なサラリーマンが一馬力で一軒家を持ってるのはやっぱり地方だからだろうし、車で1時間で海でも山でもいけるし、欲しいものもたいてい揃います。

行きつけの画材屋さんも、顔なじみのワインショップも、声かけたら遊びに来てくれる友人もいます。

都会と地方どっちに住むか論争なんて、言い出したらきりがないと思うし結論もでないと思います。

住めば都だろうし、住んでない場所はどこだって「憧れの場所」です。

なのでぼくは死ぬまでここに住もうと思います。

もし、あぶく銭ができたら空き家を買って死ぬまでDIYでリノベーションとかしたいのですが、老後2000万円足りないとかなんとか言ってるので多分無理でしょう。

でも、まぁ良いです。

「今、ここ」がぼくの住みたい場所なんです。

いつの間にか、家族5人でディズニーなんて行こうものなら20万円くらい用意しないといけないようになってしまいました。

なかなか仕事でもない限りおいそれと東京になんて行けなくなってきたぼくですが、それでもなんか、東京はずっと心の中で「憧れの街」なんだろうな〜って思います。

書籍化記念! SUUMOタウン特別お題キャンペーン #住みたい街、住みたかった街

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by リクルート住まいカンパニー