もうなくなっちゃった画材屋さん

今週のお題「好きなお店」

今日は、はてなさんの今週のお題に絡めて記事を書いてみようと思います。

「好きなお店」で最初に思い浮かんだのが、もうなくなっちゃったんですが、むかし実家から自転車で15分くらいのところにあった画材屋さんです。

中学2年の時、いつも一緒に絵を描いてた友人から「あそこに画材屋がある」と教わりました。

その翌年に、お年玉でコピックを買ったのがこのお店との出会いでした。

それからというもの、中学時代は漫画道具を買いに足繁く通いました。

高校に入学して、画塾に通うようになってからはもう常連でした。

大きな画材屋さんではありませんでしたが、「町の画材屋さん」って感じで、店員さとも話をするようになって、ガキンチョのぼくでしたがちゃんと「お客さん」扱いしてくれて「あ、君かい」みたいな表情で丁寧な対応をしてもらってました。

このお店があまりに好きすぎて、高校時代にこの画材屋さんをモチーフに読み切り漫画を描いたことがありました。

「どうしても絵が描きたいネコが、人間に化けて画材を買いに来る」ってお話だったんですが、実家の屋根裏をひっくり返しても原稿が出てこないので、多分青春スーツを脱いだ勢いに捨てたんだと思います。

もったいないことをしたな。

画材屋さんってワクワクしますよね。

静かな店内に画材がずらっと並んでいて、なんか自分も凄い絵が描けるような気がしてくるっていうか。

そしてそんな専門的なお店に顔を出す自分がなんかちょっと特別な存在になったような気がして、思春期の心を満足させてくれたり。

自転車を漕いでお店まで行き、小遣いやりくりして貯めたお金でちょっといい画材を背伸びして買うんです。

それがまた、特別なことをしてる感じがして嬉しかったり。

ああ、やっぱぼくはずっと絵に支えられてきたな。

これまたもう処分しちゃったんですが、学生の頃とか、コピックをマグカップに入れて飾ってたり、ドクターマーチンってインクは瓶を並べてるだけでオシャレでしたよね〜。

あーこれこれ! 

以前も書いたことがあるんですが 、ぼくは高校時代スーパーカッコつけたがりだったので、部屋に画材と紅茶セットを並べて、描きかけの絵と作りかけのパズルを広げたマイルームを一生懸命コーディネートしてたんです。

ともすれば黒歴史ですが、まぁかろうじて笑い話だと思ってます。

就活をしてた頃「求人を出されてはいませんか?」なんて突撃したこともありました。

そしたら親身に相談に乗ってくれて「うちは画材を扱ってはいるけど小売業なんだよ。絵を描く人を相手にしながら自分は絵が描けない。絵が好きな人には辛い職場かもしれない。」とコーヒーを出して話をしてくれました。

いろんな考え方があると今では思いますが、その年は求人がなかったので、対応してくれた方の本音を語っいただいたのかもしれません。

そのお店は、リーマンショックの後くらいに突然閉店しました。

もうなくなっちゃって10年以上経つのですが「好きなお店」って聞かれると、真っ先に思い出すくらい、いろんな思い出の詰まったお店です。

また行きたいなぁ。