ギリギリの攻防

新婚の頃、意識の高いぼくは家事はなんでも分担しようと思っていて、食後に奥さんが食器を洗い始めたので横に立って洗った食器を拭こうとしたんです。

すると「洗った食器に布巾の繊維が着くのが嫌だから」と言われ、食器を拭くことを拒まれてしまいました。

結婚って異文化交流だなぁとしみじみ思いました。

以後我が家では「食器を洗った後は水切りカゴに並べて自然乾燥させ翌朝回収」がスタンダードとなりました。

あれから10数年、初めは2人分の食器だったので水切りカゴに収まっていたものが、5人家族となり、エンゲル係数がモリモリ上がり、上の子2人がスポ少に、下の子が子ども園に持っていく弁当箱やら水筒やらも加わり、水切りカゴには連日マッターホルンが形成されていて、素人が手を出そうものなら危険な雪崩が起きるようになっています。

麓の家に老婆が住んでたらきっとこう言うでしょう

「あの山に立ち入ってはならん…」

ここのところ奥さんはスポ少でスポ少で仕方なくて、1日の最後に食器を洗うのも、起きて食器を片付けるのもぼくなので、気づかれない程度にちょっとずつ、洗った食器をその場で拭いて戸棚に戻してしまおうかな?と思っています。というか実践してます。

今のところ何も言われてません。

朝起きてリビングに降りて最初に目にするのがマッターホルンってのは結構滅入るものがありますしね。本当はぼく、朝はジョギングの後シャワーを浴びて、ガウンを纏ってハンドドリップのコーヒーを楽しみながら観葉植物に水をやるおじさんに憧れてますし。