ダーガーパイセン

10年続けてるブログなんで過去に書いたことがあるような気がするんですが、ヘンリー・ダーガーっていう、今ではアウトサイダー・アートの第一人者みたいな人の作品が、ぼくは見るたびに胸を打たれます。

ダーガーは15歳で天涯孤独の身となり、その後病院の清掃員を体が動かなくなるまでやり続けて小さなボロアパートで孤独死した人なのですが、死後彼の部屋から「非現実の王国で」という自費制作の、ダーガーが誰にも見せたことのない同人誌が発見されるんですよね。

その作品は、ヴィヴィアンガールズという、セーラームーンみたいな美少女戦士たちがさまざまな困難に立ち向かうお話で、ピンチになるとキャプテン・ダーガーっていうタキシード仮面みたいなキャラが颯爽と現れて解決するわけなんです。

「ああ、ダーガーの救いはここに全てあったんだ」とか思うと、もうそれだけで込み上げてくるものが抑えられなくなるんです。

PVとかいいねの数とか、そんなのどうってことなくて、創作は、自分の心を救ってくれるかどうかじゃないかと。

ダーガーは、1日の終わりにお絵描きをするぼくらの大先輩だなと思うわけです。

子どもの頃に、チラシの裏に好きにグリグリ描いて楽しかった気持ちをずっと持ち続けていられたら、それはとっても幸せなことですね。