みなさん「タイムボカンシリーズ」ってご覧になられてました?
ぼくは子供の頃、早朝に再放送してて、学校に行く前に起きて見てた覚えがあるんですよ。
あの作品って、毎回敵役のドロンジョ様たちが「おしおきだべ」ってボスに爆破されるんですよね。
ドロンジョ様の服が破れたり、「お手紙ちょうだぁ〜い!」って言いながら吹っ飛んだりしてた記憶があるのですが、そんな訳で「タイムボカンシリーズ」を見て育ったぼくみたいな大人たちにとって、「爆発オチ」の絵のイメージってこんな感じじゃないでしょうか?
まだネットなんてなかった時代だったからかもしれませんし、ぼくが子どもだったせいかもしれませんが、今より戦争の記憶が大人達に色濃く残ってた時代だったにも関わらず、このデザインに関して特に大きな批判があったような記憶はぼくにはありません。
先日、韓国のアイドルグループのTシャツは大騒ぎになりましたね。
このニュースを知ってこの「おしおきだべ」を思い出しました。
価値観って難しい
職場の若い女の子に熱烈なファンの子がいるんですが、彼女は今回の件をすごく残念がっていました。
「何も知らないでそんな身勝手な」って声もあるでしょうが、当時子どもだったぼくが、例えば突然「タイムボカン放送中止」なんて言われたら同じように残念がっただろうなって思います。
現代アーティストの村上隆さんの作品に「原爆を落とされたのに毎週キノコ雲を放送して楽しむ日本人」を、皮肉ったともタフさを賞賛したともとれる作品がありますよね。
詳しくはこちらをどうぞ !
さすがの着眼点だな、と改めて唸らされました。
確かに、今回のTシャツのデザインは「挑発的だな」って思いました。
「家族を亡くされた方や、後遺症に苦しむ方への配慮が欠けている。」というのもおっしゃる通りだと思います。
でも、ぼくらがイメージする「ロックバンド」って反社会的なことをしていて、そんな姿を大人は渋い顔で眺めながら、一方で若者たちが「おれたちの代弁者!」ってついてきてたような気もします。
もう、そういう時代でもないのかもしれないですねぇ。
今の時代に、盗んだバイクで走ったり、夜の校舎でガラス割ったりした曲作ったらオオゴトなのかもしれません。
そういえば「デトロイト・メタル・シティ」は、「波風立てない癒し系の音楽をやりたい」と思いながらDNAレベルにメタルの血が騒ぐ主人公の話でしたね。
ちなみに、映画版のマツケンは最高でしたね!
この作品は、2005年連載開始だったみたいですから、その頃すでに転換点があったのかもしれないなーって思いました。
チャイルディッシュ・ガンビーノの「This Is America」って曲が話題になったとき、「反社会的な態度がマジョリティになってしまったのなら、ロックは逆に社会的な歌を歌うことで社会に反抗しなければならない」という解説を聞いたことがあります。
Donald Trump Sings This Is America
ぼくは音楽はやりませんが、何かしら表現をする人にとって、今回の騒動はアレコレ思うところがある騒動な気がしてます。
今回の件について「タイムボカンとか平気で見てたんだし、別にいいじゃん」ってことが言いたいわけじゃないんですね。
表現の世界の文法が、大きな転換に差し掛かってるのかもしれないなくて、そんな転換点でもみんなが楽しめるのがいいなーと、ぼんやり考えました。