今日の内容は「Kindle買ったのでKindle Unlimitedで読んだ本の感想を書こうシリーズ」です。
落合陽一さんの『日本再興戦略』
メディアなんかで見かける落合陽一さんですが、ぼくの印象は「頭のいい人だなー」という感じです。
そんな人の「日本の未来をよくするためにこんなアイデアはどうでしょう?」という提案が次々飛び出す本です。
「自分とは違う高位の次元の話をする人なんじゃないか?」と思わされるのですが、ワクワクする本でした。
今の日本の閉塞感とか先の見えない感じに鬱々としてる方にオススメしたいなって思いました。
以下、ぼくが気になったところをピックアップしていこうと思います。
詳しくはぜひ手にとって読んでいただきたいので、さわりの部分とぼくの感想を書いていきます。
「欧米」という「謎のユートピア」を追うことをやめ、日本のいいところを思い出そう。
このフレーズだけだと「右寄りな話か?」と思ってしまうけど、この話題に限らず本の中に登場する論は、客観的な事実を並べてみた結果「なのでこうしてはどうでしょう?」と説明してくれるので思わず「なるほど」ってなります。
で、「欧米」って具体的に何時代のどこのことなのか、イメージできます?
学校の歴史の授業が眠かったせいで美術史の年表しか脳内にないぼくの解釈では「欧米」って、エコール・ド・パリまでがヨーロッパ、ピカソのゲルニカ以降はアメリカのイメージです。
つまり、アメリカとヨーロッパという異国の文化をごちゃ混ぜにして「欧米」という「かっこよくてイケてるもの」として取り入れてるから混乱してるのであって、ちょっと整理整頓しませんか?って話なのかな?って思いました。
確かに鎖国するまで、日本美術って西洋美術より400年くらい先行ってる感があるんですよね。美術に限らず、そんな成熟した文化を持ってたことを思い出そう、と。 需要がありましたらまたこの話は別に書こうと思います。
士農工商が今の日本に合う
ダイバーシティが声高に叫ばれてる時代にこれまた過激ですよね。
でも、今は「商」の人たちの地位が高すぎるというのです。
金融とか銀行ですね。
「士」は医者や学者、「農」は百姓(百姓は本来は「百のなりわいを持つもの」って意味らしいです)、「工」は職人さん。
命やクリエイティブに関わる仕事に対して、もっとリスペクトしてもいいんじゃないか?って話なのかな?と思いました。
言わずもがなですが、これはそのままITが発展しても人間に必要なスキルとイコールなんですね。
デジタル化に対するアレルギー反応
ロボットが人を介護することに対するなんとなくの抵抗ってあるじゃないですか。
それに対して、ウォシュレットの例が出てくるんですよ。
ウォシュレットを使うことに抵抗がある人は少ないと思うんです。
これを今更、自分の子どもに「尻を拭いてくれ」と言えますか?というわけなんですね。
「なるほど」と思ってしまいました。
ホテルのロビーで造花を見ても違和感を感じないように、ITやロボットに対しても違和感を感じなくなれば、自分ができないことをITやロボットに補助してもらうことも普通の光景になり、健常者と障害者の区別もなくなるというのです。
リーダー2.0
これからの「リーダー」は「ものすごく尖った能力がある反面、足りない能力もあって、そういうところは他の人に補ってもらう」リーダーが良いのだそうです。
必要なことは「弱さがあり、愛される」ことである、と。
これを読んで「ああだからみんなワンピースが好きなのか」とか腑に落ちたりしました。
まさにルフィのことですよねこれ。
でも、確かにちょっと隙があるくらいのリーダーの方が、付いて行きたくなるし「ぼくもこの部分なら力を貸せる!」って部分があるリーダーの方が良いんですよね。
なんかそんなにディストピアじゃないかも?
挙げればきりがないのですが、特に印象に残ったところを4つほど書いてみました。
改めて感じたのですが、ロボットとかITって進化が早すぎて、きっと大多数のぼくみたいな人間は付いていけてないんだろうな、と思いました。
そこに1984的な物語なんかでよく見聞きするイメージが付随して、人間が襲われるとか、支配されるとか、そういうディストピア感を感じてしまうのかもしれません。
もちろん、流されるままでいたらそうなってしまうだろうから、警鐘の意味でもディストピアものって大事だと思うんですよ。
でも、それでもやっぱここで書かれてる未来は明るくて、ぼくはそんな未来に思いを馳せてワクワクして元気をもらいました。
最後に
落合さんは移動は全てタクシーを使ってるのだそうです。
「金持ちめ!」って思うじゃないですか。
でも、仮にタクシー代が月20万円だったとしても、タクシーを使うことで1日2時間ショートカットできると思えば、月に5日は人より多く働けるから、1日4万円の仕事をすればタクシー代はトントンだ、というのです。
ぼくはやっぱ凡人だな、と思いました。