りとブログ

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【読書感想】『夫のちんぽが入らない』衝撃的なタイトルですが、深く考えさせられました。

あまりにセンセーショナルなタイトルすぎて、書店で「おとちん」とか呼ばれつつも女性に大絶賛で読書好き界隈をザワつかせたこの小説をぼくもついに読みましたので、今日は感想を書いてみようと思います。

夫のちんぽが入らない (講談社文庫)

夫のちんぽが入らない (講談社文庫)

  • 作者:こだま
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/09/14
  • メディア: 文庫
 

 あらすじ紹介程度のネタバレありで書きますのでお気をつけください。

と言いながら、さらりと読める分量なので書きすぎるかもしれません。

ぼくも気をつけますが、皆さんも「やばい!」と思ったら読むのやめてくださいね。

物語は「わたし」の一人称語りで綴られます。

物凄い閉鎖的な田舎で、ヒステリックな母親の顔色を伺いながら高校までを過ごしてきた「わたし」が大学に進学し、一人暮らしのために上京することろから始まります。

人の良さそうなおばあちゃん大家さんに惚れ込んで決めたボロアパートに引っ越してきた初日に、同じアパートの住人で、大学の1つ上の先輩でもある、将来「夫」となる「彼」と知り合います。

「彼」とは一瞬で相思相愛となり、付き合うことになります。

年頃の若者が親元を離れて一人暮らしなんてしてるわけですからあっという間にコトに及ぶわけなのですが、タイトルの通り「入らない」という事件が起きるんです。

実は2人とも別の相手とは「できる」んです。

なのに「入らない」。

そんな2人が、それでも学生時代をずっと共に過ごし、就職して互いに教師となり、結婚して夫婦にもなり。

それぞれ仕事でもがいたり苦しんだり、相変わらず「入らない」ので子どももできず、しかしそんな悩みは誰にも言えず、その他諸々すったもんだもありながら、かれこれ20年の歳月が過ぎました。

というお話です。

「入らない」って「なんか呪い的なファンタジー要素なのか?」って思ってネットで検索してみたんです。

そしたら、どうやら「構造上」相性が最悪だと、そういうことがあるのだそうですね。

人体の神秘を感じました。

しかし、この2人は性格の相性がこれ以上ないくらい完璧だったんです。

それは幸せなことだったのか、不幸せなことだったのか。

そのことをぼくはずっと考えながら読みました。

「わたし」は、社会からズレまくっているのに「夫」とだけは完全に噛み合ってる感じがあって、なのにそんな「夫」とも「できない」から人並みの夫婦になれないそんな葛藤のエピソードが何度も何度も出てくるんです。

 

もうすこーしだけ、ちょっとだけ本編のある出来事を書きますね。

 

「夫」の主観パートはありませんが、心から「わたし」を愛している様子は伺えます。

しかし男的な欲求がどうしようもない時もあるわけでゴニョゴニョちょっと天然気味なところもある「夫」はAVをビデオデッキに入れっぱなしだったり、風俗のスタンプカードを解るところに置きっぱなしだったりします。

「わたし」視点で立てば、居た堪れない気持ちになることと思いますが、他所で女を作ってないところに一定の誠意も感じられるようにも思えました。

でも、それだってぼくの主観ですよね。

男のぼくにとってはどうしたって男性視点になってしまいます。

なので、女性が読まれるとまた違ってくるんだろうなって思います。

こういう、なんかモヤっとして、でも答えは人それぞれな問題で、誰かにとっての正解が他の誰かにとっては不正解な案件が次々飛び出す、そんなお話です。

そのモヤモヤな話は、夫婦間の話に限らず、仕事や実家といった人間関係全般に及んでいきます。

いろんな物事には、人それぞれの尺度があって、その尺度を自分の物差し当てて「違うだろ!」って言っちゃダメだなって改めて考えさせられる。

そんなこと、このタイトルからは想像もできませんでした。

最初にも書いた通り「さらっと」読めてしまいます。

重い話に感じられたかもしれませんが、めっちゃ軽妙な語り方でグイグイ引き込まれます。

ぼくは2時間くらいで読めてしまいました。

ちょっとでもご興味がありましたら、また皆さんの感想も聞かせてもらいたいなって思いました。

(でも、今のご時世アラフォーのおっさんがこの本を女性に勧めたら完全にセクハラでアウトですねごめんなさい)

タイトルから、性表現が苦手で手に取ろうかどうしようか悩まれてる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、村上春樹さんの小説に比べれば「どうってことはない」レベルだなーと個人的には思いました。

よかったらぼくの感想もひとつの物差しにしてみてください。