Amazonのプライムビデオで『マイ・インターン』という映画を観ました。
観よう観ようと思いながら忘れてたのですが、ほんと便利な時代になりました。
そして観終わって幸せな気持ちになったので今日は感想にお付き合いください。
あらすじ紹介程度のネタバレがありますからお気をつけて。
憧れのおっさんがそこにいる
主人公の「ベン」は、定年退職後に妻に先立たれ、それでも自分の人生を謳歌しようと様々なことをやってみるけど何か物足りず「自分はやはり仕事をしなければだめだ」と結論づけて、街中で目に飛び込んできたアパレル会社のシニア・インターン募集のチラシに惹かれて応募し採用されます。
この会社が面白いんですよ。
「ジュールズ」というキャリアウーマンが、創業1年で一気に大きくした、ネット通販専門のアパレル会社で、当然社員は若者ばかり。応募の際も自己PR動画をYouTubeにアップせよという仕組みを採用している「今風」の会社です。
最初はMacBookの起動の仕方もわからないベンに、不思議な生き物を見るかのように接する社員たちでしたが、彼らは次第にベンの洗練された物言いや仕草、働く様に惹かれ、次第に心を開き、憧れ、いつの間にか様々な相談を持ちかけるようになっていきます。
それは社長のジュールズも同じで、はじめは外に向けてのアピールとしてお飾りのシニア・インターンのつもりが、いつの間にか公私共に悩みの相談を持ちかける社長秘書のような存在になっていきます。
で思うわけですよ。
「ああオレこんなおっさんになりたい〜!」
嫌味がない
ともすれば「年長者を敬いましょう」「伝統を重んじましょう」みたいな教訓じみた物語になりそうなのに、不思議とそんな印象は受けません。
カジュアルなアパレル会社にベンは不釣り合いなくらいビシッとトラッドなアイテムを身に纏い出勤するわけなんですが、なんかこう「それはベンの信念であり単にベンのファッションスタイルがそれ」って感じに収まってて、それが一周してカッコ良さになってるんですよね。
好きな女の子相手にうまく立ち回れない若いコミュ障くんに、職場の仲間としてスマートな立ち振る舞いのアドバイスをしたかと思えば、ちゃっかりベン自体も会社の福利施設で働く熟女セラピストに「先立った妻への想い」を語ることで一途なところをアピールしていい感じになって、その朗報を若き同僚たちと喜び合ったりもします。
Facebookの使い方を教えてもらったり、とにかく自分のできることを偉そうにひけらかさず、新しいことに興味を持って謙虚に学び、できるようになったことを素直に喜ぶ姿に共感しかないわけです。
こんな人生送りたい
コレは賛否両論あるかと思うんですが、ぼくはベンのように70歳まで働くのは自分は「有り」だと思ってるんですね。
というかぼくらの世代は80歳定年とか有りえるかな〜?とか思ってます。
あ、別に馬車馬のように働きたいわけではなくて、あくまでホワイトな環境でってのを前提に想像してますが、やっぱ仕事は刺激があって楽しいと思います。
そしてどうせ働くならベンのようにスタイリッシュなオッサンでいたい。
そのためには今から元気でいられるように準備してないといけないんだろうなぁ。
若者に頼られる存在にもなれるようにしないといけませんよね。
メディアアーティストで他にもいろんな肩書きを持ってらっしゃる落合陽一さんが何かの本で、若いベンチャー企業こそ相談役としておじさんを雇うべきって語られてたんですね。詳細はぼんやりとしてますが、内外の政治的なことは経験豊かなおじさんに頼るべきで、だからうっかり失業したおじさんも積極的にベンチャー企業とかに再就職するべきだというお話だったかと思うんです。
喫煙ゾーンにいつもいるおじさんが、ここぞという場面でビシッと発言して物事がまとまったりするシーンを目にしたりすることがあります。
あれってボケーっとタバコ吸ってるだけのようで、情報を集めて根回ししてるんですよね。ゴルフや麻雀だってそれ系だったり、過程をないがしろにしたり、賭けやったりしたらもちろんご法度ですが、安直に結び付けないほうがいいだろうし、やるからにはスマートにこなす術を身に付けるべきなんだと思うんです。
いつまでも、楽しく成長して、人に頼られる存在でいれたらいいなぁって思います。