ぼくは奇跡のような中学時代を過ごしていたのかもしれないと振り返ってみると思うことがあるんです。
どういうことかと申しますと、ぼくの通っていた中学校は、オタクがオタクとしてありのままクラスで受け入れられていたんです。
まだ電車男ブームも来る前で、芸能人の皆さんが漫画やアニメについて熱く語ったりすることもない、なんなら宅八郎さんとか、宮崎容疑者の話題が記憶に新しかった90年代の中頃の話です。
程よく地方で、都会ほどの娯楽がなく、かといってそこまでの田舎でもないのでそこそこの人がいるって環境が産んだ、独特の文化圏だったのかもしれません。
学年トップレベルのワル(ボンタン、短ラン、リーゼント)の彼女が「ああ女神さま!」の下敷きを使ってたりしてました。
そして、そのワルもストⅡが大好きだったりしたわけです。
スクールカーストという言葉で語られるいわゆるギークみたいなクラスタも、上とか下とかそんなこと関係なく、楽しく過ごせていたような、そんな気がします。
まあ25年以上前の記憶なので、いくらか美化されているかもしれませんが、それでも卒業の頃にはクラスみんなでエヴァのラストがどうなるのか、ワイワイ楽しく語っていたような気がしています。
男女の仲もとっても良くて、ぼくはその輪の中で、少女漫画や、のちにBLと呼ばれるようになる当時ぼくらの周りで「やおい」と呼ばれていた漫画も女の子の友達から借りて読みました。
彼女たちが貸してくれた漫画は、ぼくの知らない未知の世界で、ぼくはものすごい衝撃を受けました。
なんというか「美しいな」と思ったんですね。
美術館で飾られてる絵みたいな。
登場人物の心象風景に合わせて、花がブワッと舞ったりとか。
あと、思ってた以上にえっちな物語を読んでるんだなってのにも驚きました。
強烈に印象に残ってる作品の1つが『ふしぎ遊戯』でした。
冒険をして、生死をかけた戦いを繰り広げて、必殺技なんかもあって、でもドキドキするような濡場もあって、ジャンプやサンデーのパンチラでウホってなってる自分達は、女子からしたらお子様だなぁって思ったりしました。
自分の中の、漫画の世界がドガーっと広がったっていうか。
ネットの世界を知って、デジタルでイラストを描くようになった時、そんな想いがイラストに込められたらいいなと思いました。
色気はあるけどエロくない、みたいなイラストです。
このブログを始めて、またイラストを量産するようになった時、そのことを思い出しました。
今もずーっとその思いは一貫してぼくの中にあります。
これもある種の厨二病かもしれませんね。
ここのところ、桜をちまちま描いてます。