味覚の変化

ぼくは寝る前に30分ほどゲームして、異世界に現実逃避してから「今日も素晴らしい1日だった!」という気分で寝る生活を送っています。

1日30分くらいなんで、1つの作品をかなり長い時間楽しめるんでですが、2年くらいかけて遊んでるゲームに「ファイナルファンタジーX・X-2 HDリマスター」ってのがあります。

ぼくが学生の頃にプレイステーション2で発売になった作品の、名前の通りのHDリマスター版で、Xはゲームファンの間では説明の必要はないってくらいの名作ですよね。

あまりに物語が一本道で「これはRPGなのか?」と当時大論争になってた記憶がある一方で、小説を読むように物語を楽しむことができるゲームが大好きなぼくにはごちそうなゲームで、主人公たちの住む世界をずっと覗いていたくて、ぼくは人生で初めてプレイ時間が100時間を超えたゲームでした。

そんなお話の、アフターストーリーを描いたのがX-2だったわけですが、これまたゲーム好きな方には説明の必要がないお話の、賛否両論が渦巻いた作品でしたよね。

一応、ネタバレにならないように描くんですが、Xは重くて切なく苦しい物語で、そんな設定の中健気に頑張る主人公たちの姿に涙するお話なんですよね。

それに対して、X-2は「この軽さは一体なんだ!?」っていう、そんな話なわけですよ。

正直に告白しますと、どえらい感動したお話の続編が出るって聞いた若かりし日のりとは、ウキウキしながらX-2をプレイしたものの、その軽さに耐えきれず途中で積んでしまってたんです。

あれから20年弱、改めてプレイしてみたんですが、ちょっと見え方が変わりました。

もうちょっとネタバレになっちゃうんですが、X-2はXの時に重く過酷な運命を背負わされて世界を救うために旅をしたヒロインが、その運命から解放されて、今度は自分のために旅に出るお話なんですよね。

つまり、X-2の姿がこのヒロインの本当の姿だったんだなぁ、幼い頃から自分の運命をわかって、自分を殺して生きてたんだなぁ、ってことなんです。

そういう物差しを一本入れて、軽くてチャラいX-2のお話に触れると「やっと素の自分が出せるようになったんだなぁ、よかったなぁ」って気持ちで、楽しく物語の世界に触れることができて、今度はちょっとずつ話を進めることができるようになりました。

ちょっと前に「子どもの頃さっぱり意味がわからなかったZガンダムを見直したら面白かった」って話を書いたんですが、似た感じです。

なんかこう、自分の経験値が上がると、物語の見え方も変わってきますよね。

今、Eテレで『プラネテス』ってアニメやってるじゃないですか。

これも当時、主人公の横柄な態度がハナについて途中で見るのをやめちゃった作品だったんですが、今この歳になってなって見てみると、気持ちがわかるんですよね。

夢と希望を持って社会に出てみたら、現実はこんなだったか!ってのにちょっと不満を抱いてる姿が「わかるよ…でも、続けてると次第に良くなってくんだよね」みたいな。

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これだけいろんな話題をしておきながら、ファンアートは描かずオリキャラの落書きを載せるスタイル。