無責任艦長タイラー

ぼくが小学校を卒業し、中学校に入学する頃「無責任艦長タイラー」というアニメをやっていました。

ラアルゴン帝国というヤマトでいうところのガミラスみたいな異星人と地球との戦争の物語なのですが、無職の主人公タイラーは「楽して給料貰いたいから」という理由で兵隊に志願し、いろんな巡り合わせやラッキーから駆逐艦そよかぜの艦長に就任し、これまたいろんな巡り合わせやラッキーで勝ち星を上げていくっていうお話で、戦記モノかと思いきや、はじめは無責任な発言やいい加減な態度からタイラーを軽蔑していた「ザ・軍人」という感じの周囲のメンバーが、次第に温厚なタイラーの人柄に魅了されていくある種のホームドラマで、「そんなことあるかい!」とツッコミを入れつつも「バブル崩壊がどうのこうの言ってるけどなんとかなるっしょイケイケドンドン!」みたいな、目を充血させて突っ走る世間の風潮に対して「気楽に行こうよ」って感じがとても心地よく「ここまでいい加減にはなれないけど、肩の力を抜いて生きてくってのもいいな」と間違いなくぼくの人格形成の一端となった作品でした。

最近「寝そべり族」という言葉を見聞きするようになりました。

どんなに頑張っても開けない未来に対して「もぉ頑張らなくても生きていければいいよ〜」という、完全に絶望してしまうのではなくて、寝そべって手の届く範囲のもので満足する風潮のように理解しているのですが、タイラーの生き方って、なんかちょっと寝そべり族に似ているな、と最近思ったのでした。

というわけで今日のイラストはラアルゴンのお姫様です。