りとブログ

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【読書感想】『ずうのめ人形』この記事を読むと4日後に…

以前ぼくは「こんな怖いホラーはリング以来だ!」と『ぼぎわんが、来る』という小説の感想を書きました。

rito.gameha.com

この小説は今年の冬に『来る』というタイトルでちょっとアレンジされて映画化されるそうですね…怖ぇー!

kuru-movie.jp

この『ぼきわんが、来る』で活躍するオカルトライターの「野崎」さんと、恋人の霊能者「真琴」さんが再び呪いと対決する物語『ずうのめ人形』を読み終えたので今日は感想を書きます。

あらすじ紹介程度のネタバレを含みますので、もう読む予定で誰が死ぬかも知りたくない方と、ホラーが全くダメな方はお気をつけください。

ずうのめ人形

ずうのめ人形

 

その原稿を読むと4日後に死ぬ 

主人公の「藤間洋介」君はオカルト雑誌の編集のバイトをしている青年です。

冒頭、洋介君が担当しているライターの「湯水」さんが音信不通となります。

湯水さんの様子を見に、洋介君はバイトの後輩の「岩田」君と湯水さんの自宅を訪れ、死体となった湯水さんを発見してしまいます。不可解なことに湯水さんの死体からは両目が無くなっていました。

2人は湯水さんの部屋で、焼け焦げた跡のある原稿の束を見つけます。

岩田君は「この原稿が湯水さんの死に関係してるかもしれない」と、原稿をコピーして洋介君にも読むよう勧めます。

原稿に書かれていたのは「来生里穂」という名前の中学生の視点で書かれた自伝のような小説でした。

小説の中の里穂ちゃんは、母親と弟、妹の4人暮らしで、ろくでなしの父親からは逃げて生活しているようです。クラスでも友達がおらず、市立図書館が唯一の居場所で大好きなホラー小説を読みふけり、もうすぐ映画公開される『リング』を楽しみにしていることが綴られます。

以後、この小説は「洋介くん視点の本編」と「里穂ちゃんが主人公の原稿」を交互に読み進めていく構成になります。

「この陰鬱な展開の話は一体なんなんだろう?」と原稿を読み進めていく洋介君に対し、岩田君が次第に「早く最後まで読んでください」と催促するようになります。

岩田君の様子はその後さらにおかしくなり、仕事を無断欠勤し、一緒に湯水さんの家に行ってから4日後「いますぐ読んでください!」と半狂乱の電話を職場にかけてきます。

電話越しの彼が言うには、原稿の中に出てくる「ずうのめ人形」という呪いの人形のくだりを読んでから自分も同じものが見えるようになり、その人形は日に日に自分に近づいてきていて、今は目の前にいると言うのです。

自分は実家2階の自室にいて、1階ではもう両親が殺されている。自分はもうダメだ、と電話越しに言ったのち、岩田君の断末魔と不気味な笑い声が聞こえ、電話は切れてしまいます。

岩田君は両目を失った死体として自宅から発見されました。

そして、洋介君にも見えるようになるのです。

おかっぱで、喪服を着た、顔が赤い糸でぐるぐる巻きになっている日本人形が…。

ホラーとミステリーの極上なハイブリッド

岩田君の断末魔を洋介君が電話で聞いているとき、近くに居合わせたのが『ぼぎわんが、来る』でも活躍したオカルトライターの野崎さんと恋人の真琴さんでした。

2人は洋介君の呪いをとく協力をしてくれることになります。

原稿を読み進めていくと、驚くべき内容が書かれていました。

真琴さんは三姉妹の末っ子で、真ん中の、真琴さんにとって小さい方のお姉さんである「美晴」さんが中三の時に亡くなっているのだそうです。

この美晴さんが、里穂ちゃんの同級生として突如物語に登場したのです。

映画「リング」が話題の原稿の中の時代と、美晴さんが亡くなる時期が一致します。

「この原稿は創作ではなく実話かもしれない」「他人事ではないかもしれない」という可能性が出てから、野崎さんと真琴さんも原稿を読み、物語は3人で原稿を書いた作者を探すお話になります。

 

その間にも「ずうのめ人形」は次第に洋介君との距離を縮めていくのでした…。

この「前半ホラーで引き込んどいて後半ミステリーを読ませる構造」は、本当に面白かったです。

「原稿を読むと呪いにかかる」ことがわかる以前に、読者自身も原稿の「ずうのめ人形のくだり」をすでに読まされてしまうんですね。なので「ひょっとしたら自分も人形見えちゃうかもしれない」という、えも言えぬ気味の悪さに苛まれることになります。

スッキリしたくて、3人の「原稿の作者を探す話」の続きが気になって仕方なくなるんです。

続き読むのが怖いのに、です。

そしてラスト、意外な人が原稿の作者で、意外な人がこの原稿に関わってることがわかります。この辺りの展開は、ミステリー小説の、探偵が犯人を突き止めた時のような爽快感があります。

前作の『ぼぎわんが、来る』も前半ホラーでラストはバトルアクションだったんですね。今回は「こう来たか!」って思いました。

本当に面白い!

ちなみに原稿を読まなくても「ずうのめ人形」の話を聞くだけで呪いに観戦するらしいので、ここまで読まれた方は、もう見えるかもしれません。

おかっぱで、喪服を着た、顔が赤い糸でぐるぐる巻きになっている日本人形が…。