卒業式の思い出、そしてぼくは何者でもなくなったのでした。

今週のお題「卒業」

卒業のシーズンになると思い出すことがあります。

大学の卒業式

何度かブログに書いたことがあるのですが、ぼくは中学1年の時に「世間には美術の大学があるらしい」と知り、以降「おれは美大に行く」と公言するようになりました。

今で言うところの「中二病」に中2で罹患したぼくは「美術の勉強がしたいのになぜ国語や英語を勉強しなければならないのか?」と本気で考えてしまい、中3の頃には勉強が手につかなくなってしまいました。

(今思えば、勉強できない理由を「中二病」だからということにして逃げてた気もします)

結果、高校受験は失敗し、滑り止めの私立高校に行きました。

この経験は、ぼくの中で実は結構大きな「劣等感」としてべっとり張り付くことになります。

(補足しますと、高校時代に恩師と呼べる人や後の人生を左右する出会いとかもあり、今の自分があるのは間違いなく母校を卒業したからだと言えるので、今では失敗だったとは思ってないです。)

それでも大学は推薦入試をフル活用して第一志望に無事合格しました。

それから(本当に)楽しいキャンパスライフを送りましたが、3回生になったとき大きな現実を突きつけられます。

で、就職どうする?

今の若い方には想像できないかもしれませんが、90年代って「大学行けば就職できる」みたいな風潮があったのです。

「バブルは崩壊したらしい」と世間ではしきりに言われていましたが、学生の周辺は「まぁ大丈夫だろう」という雰囲気がありました。(これが「大丈夫じゃなかった」とわかった時、ぼくらは「ロスジェネ」と呼ばれるようになりました)

ぼくが大学の3回生になったのは「大丈夫じゃないかもしれない」と世間が焦り始めた頃だったのです。

中1の頃から憧れてた美大に入り2年謳歌し、いよいよ美大生として油が乗ってきた頃、突然「あとは就活に勤しめ」と言われたことにぼくは大いに戸惑いました。

謳歌していた学生時代の話はこちら

rito.gameha.com

 

バタバタしているウチに大学卒業

戸惑ってるうちにぼくは無職になってしまいました。

世間的にぼくは「就活に失敗した」人なのです。

f:id:rito-jh:20180721085437j:plain

このイラストは、今でも扉絵を描かせていただいてるGAMEHA.COMさんに投稿するために、大学の卒業式の夜描いた作品です。

ぼくのブログでおなじみのGAMEHAキャラのジュリアはまだいなくて、他のキャラたちの日常を描いた作品になってます。

このイラストを描いてる時の、明日から何者でもない感を、ぼくは今でもよく覚えています。

いまだに評価されても信用ならない

それから4年くらいニートとかフリーターを経験して、ぼくが初めて就職したのは26歳の頃です。

最近、仕事でお褒めの言葉をいただくこともあるのですが、ぼくは高校受験と就活失敗の2つが原因でいまいち自分の評価が信用できずにいます。

自分はそんな能力の高い人間じゃない。

「そんなことないよ」と言われるかもしれません。

「就職して結婚もしてるくせに何を!」と言われるかもしれません。

でも、やっぱ…拭えないんですよねぇ。

卒業のシーズンになると、高校受験と就活の失敗を思い出して、ちょっと心がチクチクするぼくでした。

一応…

冷静に自己分析すると「失敗する人の気持ちがわかる」ことと「自分は失敗する人間だということを織り込んで計画と行動ができる」てのがぼくの強みなのだろう、とは思ってて、多分その辺りが評価されてるんだろうと思ってます。

ぼくはこれからも、この時期になると襲ってくる胸のチクチクと仲良く付き合いながら、強みを生かして食いっぱぐれないようにしていこうと思います。