小学校の教室の後ろの棚って、自由に読んでいい本が並べてありませんでした?
歴史の漫画とか偉人の伝記とか、でも結局『はだしのゲン』を読んじゃってた記憶があります。
そんな棚にある小説で「面白くて最近ずっと読んでる小説があるんだ」と小3の娘が教えてくれました。
聞くとそれは、青い鳥文庫の小説で、初めて彼氏ができた中学生の女の子の恋愛模様を描いたお話のようでした。
思わずぼくは「小3が読んでわかるんだろうか?」と考えてしまいました。
学校がオフィシャルに置いている本だということは、先生が「これはイイ!」って置いた本だってことなのかなー?
なんて疑問に思ったんですが、ふと以前読んだ「小さな子にはこれくらいの内容がいい」と絵本ばかり与えるのは大人のエゴだ、子どもは子どもなりの想像力でそれぞれの本を読むし、そうすることで知識や好奇心の扉を開くのだ。だから家族の本棚は共有にする方がいいって説を思い出し、そういうことかもしれないな、と思いました。
そういえばぼくも、巨大ロボに乗ったこともなければ宇宙に行ったこともないのに、ガンダムを見てワクワクしてたんでした。
小3の娘にとって「中学校」も「初めての彼氏」も「恋愛」もすべてSFなワクワクで、想像力を原動力に変えて読んでるんだろうなーと思ったりしました。
最近ぼくも、そんな自分の想像力を試される読書体験をしたばかりでした。
読んだのは『三体Ⅲ:死神永生』です。
下巻も読みましたよ!
以下、ネタバレをするつもりはありませんが、一切の情報を遮断されてる方はお気をつけください。
この本は、中国の文化大革命を発端に、宇宙人との人類の存亡をかけた戦いの火蓋が切って落とされるスペースオペラの完結編なのですが、なんとぼく程度の知能と読解力とイマジネーションでは、Ⅲはなんの話をしてるのかよくわからないのです。
今読んでるシーンが、具体的にどんな情景なのか、頭の中でうまく描けないんです。
一応自己弁護させていただきますが、ぼくは毎月小説を1、2冊は読んでいて、このブログでも読書感想記事は170を超えてるくらい書いてます。
しかし、その程度の読書量ではまだまだ読み込めないみたいです。
でも、どうやらSF好きには堪らない内容のようです。
普段SFばっかり読んでるわけではないので、ぼくが持ってる手札だけでは、それがどういう状況なのかを想像するのが難しかったわけです。
行ったり来たりしながらの、なかなか苦しい読書をしました。
「そんなに苦しいなら読むのやめればいいじゃん」って思われるかもしれません。
しかし、三体はⅠとⅡが抜群に面白くて「これどう決着つけるの!?」てのが知りたくて、Ⅲのページをめくらせるんです。
作者の劉慈欣さんも、Ⅲだけ書いても売れない、だからⅠとⅡは一般向けに書いて、Ⅲで自分の読みたい話を書いたと語っているそうです。
まんまと罠にハマってしまったわけです。
読み終わる頃には、あまりの壮大なお話に脳が痺れて放心状態になりました。
ぼくが理解しきれない部分について、友人と酒飲みながら語りたい。
コロナよ早く終息してくれ…。
SFって、面白いですね。